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日本vsニュージーランド 試合後の選手コメント

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[3.5 キリンチャレンジ杯 日本4-2ニュージーランド 国立]

 日本代表は5日、東京・国立競技場でニュージーランド代表と対戦し、4-2で勝った。W杯イヤーとなる2014年初陣は前半4分にFW岡崎慎司のゴールで先制すると、同8分にMF香川真司がPKで追加点。同11分にDF森重真人のA代表初ゴール、同17分に岡崎の2得点目で加点し、あっという間に4点のリードを奪った。ところが前半39分に1点を返され、後半35分にも2失点目。4点目以降はゴールを奪うことができず、4万7670人が押し寄せた改修工事前最後の国立での代表戦は4-2というスコアで幕を閉じた。

以下、試合後の選手コメント

●FW岡崎慎司(マインツ)
―ゴール裏によく抜け出していたが?
「狙っていました。SBに自分がいることを知らせて、そこから(酒井)宏樹を上げられるように。SBが俺に食いついたら宏樹が空くし、そういう形が多かったのは収穫だった」
―ハーフタイムに宏樹と話していたのは?
「守備のときに前がかりになっていて、取れなかったときもみんなで早くプレッシャーに行こうという意識が強すぎて、それで宏樹のところがやられていたので、そこで俺らも行かないほうが良かったなという話をした」
―10月の東欧遠征では引いた相手を崩すのがテーマだったが、今日はどういうテーマだった?
「やってみて、意外に相手が前からプレッシャーをかけて来たので、自分たちが最初に主導権を握りやすくなった。もっと相手が引いてきたら嫌だった。SBも自分にガンガン来たので、そこを使いやすかった。裏をまったくケアしていなかったので。相手は最初から僕のことを見ていなかったので、それが1点目につながった」
―先制点を振り返ると?
「まずは(香川)真司がよくあそこを見てくれた。ボールが揺れて落ちたのでトラップは失敗したけど、相手がもたついていたのが見えた。諦めずに足を伸ばしたのが良かった」
―しっかりもらえれば仕事ができるという手応えがある?
「自分がハッキリ動いていることで、出し手も分かりやすいのだと思う。マインツで心がけているように、あえて引かずに自分の持ち場で勝負した」

●FW大迫勇也(1860ミュンヘン)
「点を取りたかった。監督からは『幅を取って相手のDFの距離を広げるように』と言われていた。4点入ったけど、(自分に)チャンスもあったし、決められればよかった。4点取ってから一人ひとりの距離感が悪かった。遠すぎる感じがあった。相手は真ん中を固めていてサイドに人がいなかった。もっと動きの質を高めればもらえるようになるのかな。もっと質を上げるしかない」
―W杯まで3か月だが?
「チームに戻ってからもやることは変わらない。点を取り続けることでみんなが見てくれると思う」

●FW豊田陽平(鳥栖)
―残り10分からの出場だったが?
「カウンターとセットプレーで何とかチャンスを、と思ったけど……。でも、ウルグアイ戦ほど落胆というか、そういうのはない。しっかり気持ちを切り替えて、次のリーグ戦にしっかりぶつけたい」

●MF本田圭佑(ミラン)
―今日の試合については?
「良いことを話す必要はないと思っているので。4点取ったというところで、それでも2失点している。シンプルにカウンターを仕掛けてくる相手への対策。センタリングを上げられるときに、ちょっと嫌な雰囲気になったりするのを、もうちょっと回数を減らしたいなと。そのあたりにもうちょっとフォーカスして、失点の場面はファウル気味に押されているかもしれないけど、あれで点を取られてしまったら、1点になるわけで。どれだけ良いプレッシャーをかけていても、あそこで一発で行かれると、それで試合に負けてしまうこともある。確率論だけど、その確率を下げる作業が一人ひとり必要になってくるのかもしれない」
―攻撃面は?
「どうですか、みなさん? 僕はベラルーシ戦みたいに、前半、引き分けるようなことがあれば、負ける可能性もある相手だと思っていたから。そういう意識で入ったことが逆に良かったかもしれない。ベラルーシくらい固めてきたらどうやって点を取ろうかと悩みながら試合に入っていたくらいだったので。結果、そんなに固めてこなかったというか」
―4点取ってから難しくなった?
「6点、7点、8点取れたらいいんでしょうけど、普通に考えたら、4点入ればサッカーの試合というのは、ある程度結果が分かる。それは5点目、6点目を取る必要がないと言っているわけではなく、実際にチームとしても取りに行こうとしていた。ただ、その行き方が良いところもあれば、ちょっとまずい取られ方だなというところもあった。そこは個人戦術だと思うんですよね。どういうパスを選択するか。ちょっときれいにやろうとしすぎていたかもしれない。それが5点目を取れなかった理由かなと思う」
―個人個人がアピールしようとしているのも感じたが?
「そういうのがあると、やっぱり点は入らない。自分の仕事に集中したときというのが、一番シンプルに点が取れる。ちょっとしたことだけど、だれかがワンタッチ多く触ったとかで、すべて流れが変わる。相手も戻れるし。そういうのはありましたね」
―今日は展開も意味合いも難しかった?
「難しかったです、非常に。準備する期間がないでしょ。ただ、言い訳はできない。僕らの方がいいサッカーができたことは良かったかなと思う。向こうにはあまり好き放題、前半とかもやらせなかったので。入り方は集中していたと思う。事情はいろいろあれど」
―前回と比べて個のレベルアップという点では?
「明日の記事で、また『個を求めないといけない』とみなさんに書かれるのは本望ではないので。次のステップに進むことを話すべきで、それを日本全体に浸透させていくべきかなと思っている。個はちょっと当たり前の領域として、置いておいてもらえればと思います」
―本田選手自身は、この試合をシーズン終盤にどう生かしていく?
「僕はまったく別次元の問題を今、抱えているので。ここでやっていることとは、また違うことがチームに帰ったらある。その壁としっかり向き合いながら、僕はまた新境地に辿り着きたいなと思う」
―その課題と代表のプレーでクロスする場面はある?
「シーン的にはある。サッカーはサッカーなので。まったく生きないということはない。根本的なものが180度変わるということはないけど、あるシーンで『これもできるかな』というふうに思いながらチームの方で準備したり、取り組んでいきたい」
―それは今日、本来のポジションでプレーして見い出せた?
「いや、僕はトップ下のDNAを持っているので。それはもうトップ下は自分の家みたいなものですから心地良いわけで、それは別次元の話じゃないかなと思う。違う環境で、違う国でやっているわけですから。心地いいだけなら、動かない方がいいわけで、心地悪さをいかにポジティブにするかだと思う」
―PKを香川選手が蹴るのは意外だったが?
「意外というか……。真司がファウルを受けた瞬間、俺の方を見て『打たして』と訴えていたから。俺は察したよ。俺も(点を)取りたかったけど、あのシーンに関しては、真司の方が俺より蹴りたい気持ちは勝っていたかもしれない。俺はそのあとにチャンスがあったわけだから、それを決めなかったほうが問題かもしれない」
―香川が苦しんでいるから、立ち直るきっかけを与えたかった?
「そんなきれいごとじゃないですよ。真司に活躍してもらえなければ、W杯で結果を残せないだけの話で。彼が乗ることで俺に利益がもたらされる。それだけです」
―キャプテンマークを長友が自分からつけたいと話したそうだが?
「佑都から直接、俺に話もあったけど、佑都は数年前からそういう自覚が、ピッチ上だけでなく、全体の食事会場や他の選手と話しているときにも、そういうコメントが多くなっている。彼自身もそういうものを巻くことによって、何か違う立場、責任を得ることによって、違う景色を見たいんじゃないかな。もっと伸びようとしているんじゃないですかね」
―自分たちの世代が代表を引っ張っていく象徴的なことでは?
「僕は20代前半の頃から引っ張っているつもりでいたので、状況は変わらないけど、実際に周りがそういうふうにキャプテンマークを巻くという事実があるのは、新鮮に感じる部分ではある」
―隣のインテルでキャプテンマークを巻く長友の頼りがいは?
「まぁ、佑都じゃなければほめるんでしょうけど、佑都なんでね、相手が(笑)。あまりほめ過ぎるのも、タイプ的にどうかなと思うので。インテルでもう4年目くらいですか? いろいろあって、信頼されて、勝ち取って何回か付けたキャプテンマーク。今後、ずっとキャプテンを任されるようになれば、それ
はすごいことですよ」
―彼のチームに適応する姿を見て、参考になる部分はある?
「どうかな。スタイルは全然違う。佑都は良くも悪くも懐に入っていくのがうまいから。すごく最初からベテラン勢にかわいがられたんじゃないかな。俺は基本的にベテラン勢からも最初は煙たがられる態度で入っていくタイプですから。それを変えたら俺じゃなくなるし、佑都は佑都で自分のやり方で馴染んだわけでしょ。僕はこのスタイルで馴染むのを楽しんでいるんです」
―時間はかかっても、馴染んだらつかめる?
「みなさんも知ってのとおり、代表でもいろいろ時間がかかったことはご存じでしょうから。そういうのを蹴散らしていって、結果を出さないことには、この世界では生き残れないので、大博打を打っているつもりです」
(以下、テレビインタビュー)
―PKを譲った場面は?
「その瞬間に行けると思った人間が蹴るべきだと思っている。今日は真司がその決断をした。僕としては譲ることに迷いはなかった」
―3点目、4点目はアシストしたが?
「アシストできたのは良かったけど、僕に求められているのはアシストだけではない」
―ゴールに懸ける思いが強い?
「毎試合強いですよ。この試合が特別ということはない」
―イタリアでの経験は?
「いろいろ悩むし、簡単ではないけど、楽しみながら、これまでと変わらず前進して行くのみです」
―心配事は?
「失点をしているということは何らかの問題があるからだし、4点目以降が入っていないのは何らかの問題があって続けられなかったから。そういう精度を高めていかないといけない。問題はたまたま解決されることもあるが、偶然今までできていたことができなくなることもある。そういう怖さもある。全員がやっていかないといけない」
―W杯までクラブで何を見据えてやっていきたいか?
「所属クラブでしっかり結果を出すこと」
―苦しんでいるが?
「自分は意外と楽しんでいるし、やり続ければ必ず結果が出てくるということが見えている。なかなかうまくいかないなというのはあるけど、時間の問題かなと」
―ミランで今までにない苦しみを味わっている?
「そこまでみなさんそういう質問を聞きたいのだなと。『居心地がいい』ということくらいしかコメントできないですけど」
―ミランの10番というプレッシャーと戦うことで成長してW杯へ行ける?
「今後、僕がどうセードルフと話し合っていくか。W杯で自分が良いプレーをして結果を出して、1試合目からアジャストするために、彼との話し合いが大切になる」
―香川も含めて苦しんでいるように見えるが、ポジティブに考えている?
「ポジティブですよ。何が問題なのかがクリアになっているから。すごいポジティブです。クリアになっていなければきついと思いますが」
―プレッシャーや壁を楽しむという意味で、4年前と違う?
「プレッシャーはあるんでしょうけど、前回もありましたし。そういう意味では種類は変わっているけど、それが成長させてくれていると感じているし、自分としてはプレッシャーが大きければ大きいほど、つまづくことはあるけど、その跳ね返りはいつも大きいと感じている。ただ、W杯までは、あまり良いことを書かないでほしいですね。厳しめに採点をしてもらいたい。前回ほどじゃなくていいですけどね」
―そう思う理由は?
「話すと長くなるんですが、みなさん、あまりにも期待していた映画にがっかりすることがあるでしょう。それに近いと思います」
―香川がPKを蹴ったのはこの4年間なかったことだが?
「真司は本当に、マンUの中心になれるくらいの…なれるくらいのじゃなく、中心になれるクオリティーがある。あとは、彼のタイプとしては良い指導者、監督に巡り会うことが課題。まあ、彼の課題ではないんですが、運も必要なのかなと」
―PKを譲ったのは?
「W杯まで1年以上あれば、たぶん譲らなかったと思う。譲ったのは自分のためでもある。真司が取れば俺も加速できるでしょう。乗れていない感が強いことを彼自身が自覚しているから言いに来たんでしょう」
―長友のキャプテンは? 言葉より行動で示していた?
「やっていけば、言葉で引っ張っていけるタイプになるんじゃないですか。今は行動かもしれないけど。しゃべってしまえばリーダーシップもあるやつですから。佑都はちょっと力んでいたと思う。いろいろ自分で引っ張っていこうとすることで空回りすることもある。でも、空回りしたほうが、どうやったら空回りするか彼もつかむでしょう」

●MF香川真司(マンチェスター・U)
―3点に絡む活躍だったが?
「良い立ち上がりで、ゴールも入ったことで、すごく試合はスムーズに入りやすかった。PKであれ、点を取れてよかった。うれしかったし、まぁ良かったんじゃないかなと思う」
―ガッツポーズが大きかったが?
「そうですね。ゴールはゴールなんで。素直に喜ぼうと思いました」
―ルーレットのような形でPKを得たが?
「そうですね。ちょっと僕的には(ファウルは)ないかなと思ったけど、レフェリーが(PKスポットを)指してくれたので」
―あの場面はアイデアが出た?
「一瞬の判断ですね。一瞬のイマジネーションがかみ合ったというか。あれで抜けていたらもっと良かったけど。うまく相手との間を取ってというイメージがその場でバッと出てきたので良かったと思う。本当はフィニッシュまでいきたかったけど、踏ん張り切れなかった」
―久しぶりの代表戦だったが、連係については?
「みんな日程的に厳しい中で、立ち上がり『前半から行こう』というのは話していたし、前半は相手も試合になかなか入れていなかった。僕たちが早い段階でゴールを決められたことは、何よりも良かった。ただ、W杯を想定した中で考えたら、まだまだ失点もしているし、得点シーンに関しても相手のミスというのもあったので。本番を考えれば、もっと接戦になってもおかしくなかったので、そういう意味では課題も十分あるんじゃないかと思う」
―PKを蹴るのは珍しいと思うが?
「まぁ、自分で取ったやつですし」
―どう試合に入った?
「本当に久しぶりだったので、ピッチで見せなきゃ、結果を残さなきゃいけないと。途中から出ようが、最初から出ようが、ピッチの上でやるだけだった。それを頭に入れて入ったので。後半は少し体力的に落ちていたのは課題。そういう意味では課題も残ったと思う」
―体力が落ちた以外に、試合で見つかった不安は?
「特にそういうのはなかった。相手がもっと激しく、トップレベルのプレッシャーがあれば、そういう戦いの中で評価されることもあるから、これですべてとは言えない。そこがちょっと難しいところだけど、自分の持っているモノを最初から出すことを意識してやっていたし、相手どうこうじゃなくて結果を残すことを意識した」
―結果とは?
「ゴールはゴールなので、良かった。試合に出たら常にゴールは欲しいものですし。それはどんな状況であれ目指すものだと思うので。このままマンチェスターに帰りますが、良い形で帰れると思う。W杯まであと3か月。チーム状況もこれからすべての試合に勝っていかないと厳しいと思っているので。それでも本当にあと3か月、W杯を含めて視野に入れて戦っていきたいし、自分のすべてをぶつけてシーズン終了まで頑張りたいと思う」
―4年前の東アジア杯以来の国立。今回は内容も結果も大きく違ったが?
「別に4年前のことはそこまで考えていません。岡田さんのことは岡田さんのこと。過去よりもW杯というのが、僕にはあるし、マンチェスターというのが僕にはあるので。国立での最後の試合で、この天候の中で来てくれたたくさんのファンの皆さんに感謝したいし、これからも日本を盛り上げて行ってくれることを願っているし、僕自身ももっと応援していただけるようにもっとピッチで結果を出していかないといけないと、あらためて今日感じたので、頑張っていきたいと思う」
―逆サイドの岡崎選手にパスを通し、左右でチームでの役割が明確になった?
「何本か良いパスを通せていたと思うけど、相手が『W杯に出る国』と想定したら、簡単に(パスが)通る場面は少ないと思う。そのレベルの相手とやらないと分からない部分があるけど、感覚的には難しいと感じる部分があった。でも、そうやってネガティブになるより、良いところもあったので、それをしっかり継続して、そういう意識をもってやっていきたい」
―こういう相手だから取り戻せた感覚は?
「どうですかね。もっと強い相手とやりたいですけどね」
―カズ選手が来ていたが?
「試合後、話しました。笑顔で迎えてくれましたし、何度かメールでやりとりしていて『点を決める』と言っていたので、そういう報告ができてよかった」
―点を取ったことは、どう今後に生きる?
「これがきっかけになるかは、自分次第。これからまた帰って厳しい戦いが待っているし、それを自分の中で頭に入れてやっていきたい。残りシーズンの後半戦で、そのあとにはW杯もあるので、そういうのも意識しながら、本当に自分がやるだけだし、楽しみにしながら頑張ってやっていきたいと思う」

●MF遠藤保仁(G大阪)
―途中出場だったが?
「追加点を狙うというところだった」
―もう少し回したかった?
「いいクサビのパスが入ったら崩せていたと思うので、後半もそれをやらないといけなかった」
―点に結びつかなかったが?
「最後の精度のところもあるし、センタリングが多かったので、そう簡単にはいかない」
―短い合宿だったが?
「一緒にこうやって集まったことはプラスだった。また2か月くらい空くので、プラスになると思う。ここから先はまた個人との戦い」
―失点が余計だった?
「気の抜けたところもあるかもしれない。最後まで気を抜かずに終わらせられなかったのは反省点。DFラインと一番前をコンパクトにする必要はあると思う」
―W杯イヤーの緊張感があったから楽に勝てたのか、相手が緩かったのか。
「相手がどこであれ、残された日数が少ない。そこはモチベーションを高くやっていたから。今日も最後まで消化試合と思ってやってはいなかった。これをプラスにつなげたい。今日は勝って良かったけど、こんなものではない。次はもっとW杯に向けてしっかりと自分たちを見つめ直して、W杯に向けて良い緊張感をつくっていきたい」
―ボランチが45分ずつ4人出たが、争いが激しくなっている?
「長谷部がケガしていますけど、長谷部も含めてポジション争いは最後まで分からないし、自分自身も良い緊張感を持ってやりたい。どういう意図で45分ずつだったのか分からないけど、一人ひとりが持っているものを出した中でやっていくしかないので、いいんじゃないかなと」
―外から見ていて発見は?
「今日はなかったけど、今回の目的は良いスタートを切ることと、久々に集まってやり方を確認するということ。岡崎のゴールも自分たちの持ち味を出せたと思うし、後半は得点がなかったが、次につながる試合だったかなと思う」
―外から見ていて香川のプレーについては?
「本人も常にピッチに立っていたいという気持ちがあると思う。それがマンUであれ、どこであれ、関係ないと思う。モチベーションも高かっただろうし、良いプレーを見せたいという気持ちも強かったと思う。そういう意味で非常に良かったと思うし、他の選手もアピールしたいという気持ちが強かったと思う。ベンチから見ていて本当に頼もしかったし、自分でPKを蹴りに行くというのは非常に良かったと思う。これに満足していないだろうし、本人もさらなる成長を求めてやっていくのではないかと思う」

●MF細貝萌(ヘルタ・ベルリン)
―後半からの出場だったが?
「相手のプレッシャーもなかったし、自分の色を出すのは難しかった。ただ、最初から使われないのには何か理由があるはず。チームでのアピールも足りないのだと思う。チームに戻ったときにしっかりがんばれればと思う」
―遠藤とのコンビだったが?
「前半が終わった時点で、(後半は)キヨ(清武)と僕が出るということになって、途中からヤットさん(遠藤)が入ってきた感じだった。自分としてはヤットさんとのバランスを考えようと思ったし、(吉田)麻也からはみんなが前がかりになっていると言われて、カウンターのときは(ボランチに)1枚いてくれと言われたので、自分がいるときは遅らせるような守備を心がけた」
―ヘルタでやっているようなこと?
「ヘルタの場合はもっと自分たちからボールを奪いに行くことが多い。ボールを奪いに行くのは一人ではなく、チームで行かないといけない。ヘルタと同じというわけにはいかないし、途中から出るのは難しい」

●MF青山敏弘(広島)
「もっと縦パスを入れたかったなというのが反省としてあります。スタメンで慎重になったというのもあったと思う。左サイドをもう少しスムーズに回したかったというのもある。真司とかのリズムを引き出すのが、もうちょっとできたんじゃないか」
―アピールはできた?
「アピールの場ではないと思っていたので。国際試合なので、結果を出さなければいけないと思って試合に入った。まず結果を出して、プラスアルファができなかったのは確かだけど、これですべてではないと思うので。僕はまだ代表で4試合目くらいなので、ここからだと思うし、いい勉強になったと思う」
―守備面は?
「もう少し連動してディフェンスできればよかった。もっと(山口)蛍と高い位置でボールを回せれば、本田がFWに近い位置でプレーして前で起点をつくって、そこから2列目が飛び出すというのが日本の良さだと思っていたけど……。自分がボールを落ち着かせて、真ん中に入れればよかったけど、入れずに引いてしまったという印象」
―自己評価は?
「無難すぎておもしろくなかったと思う。もっと縦パスを入れないといけなかったし、そこが自分の良さ。もっとやれたかなと思うけど、これが自分の実力」

●MF齋藤学(横浜FM)
「ああいう短い時間で、自分が何ができるかを示さないといけないと思ったし、もっとできると思うので。それをJリーグとかACLでやっていけたらと思う」
―あと一歩まで来ている感覚は?
「でも、相手も疲れていたし、あの中でできなかったら本当に何もできないと思うので。あと一歩で止まっているくらいじゃダメだと思う」
―短い合宿だったが?
「特に違いはない。いつもどおり練習をしっかりやって、まだまだだなと思うところもあったし、もっと練習から自分の良いところを出せるように、またこれからやっていきたい」

●DF長友佑都(インテル)
―代表では初めてのキャプテンだったが?
「またインテルとは違った感覚を味わった。重みというか、名誉あること。監督と遠藤さん、(川島)永嗣さんにキャプテンをやらせてほしいと言った」
―試合内容は?
「チームとして良い入りができて、4点取った。でも2失点しているし、そこを見ないといけない。後半もチャンスはあったけど、決められなかった。最後の最後の部分が大事になる。コートジボワールに今日みたいにクロスを入れられていたら、2、3点は取られていると思う。ニュージーランドは思っていたより強くはなかった。チャンスをモノにできなかったし、2点取られた」
―W杯のことを考えたら納得いかない?
「僕が目指しているのはもっと先。正直物足りない。みんながイメージできる場所がたどり着ける場所だと思うし、みんながトップを目指してイメージすれば、行ける場所になる。みんながそれをイメージできるかどうかだと思う」
―クラブで苦しんでいる香川が点を取ったが?
「皆さんは逆境とか壁にぶち当たっているとか言うけど、僕から見たら成長するチャンス。先を見据えていうならポジティブなことだと思う。マスコミが言うようにネガティブなこととは僕も彼らも思っていない」

●DF森重真人(F東京)
「2失点目のところは1対1で強い相手に対して踏ん張れなかったので、そこはしっかり持ち帰って、しっかり鍛え直したい」
―今野が離脱してチャンスが来たが、手応えは?
「良いところがたくさん出せたと思うし、相手が相手だったけど、良いアピールになったのではないかなと思う」
―吉田との連係は?
「スムーズにみんなとできたので、特に問題はないと思っている」
―90分やって見えた課題は?
「ゴール前のああいう強さは、まだまだ自分自身に足りないなと思った。常にそういうレベルの相手を想定しながらやっていかないといけない」
―前後半では雰囲気も違ったが?
「どちらもゴール前までは行けていたけど、前半はしっかりゴールまで決められた。後半は決め切れなかったというのが差で出たかなと思う。そんなに大きな差はなかった。シュートで終わるところだったり、ゴールで終わるというところが、後半もできていれば、前半のようにできたかなと思う」
―序盤から得点を重ねたが、チームのムードは?
「やっぱり攻撃的になったし、その分、中途半端に行って中盤が空いてしまったこともあった。そこはしっかりチームで戦うことをしようとハーフタイムにみんなで話した」
―個人的には自信になる試合だったか?
「90分試合ができたことが、自分が欲していたことなので。それができたことは良かったかなと思う」

●DF吉田麻也(サウサンプトン)
「前半の立ち上がりにあれだけ点を取れたら、(試合が)締まらないのは分かるけど、後半ももっと行かないといけなかった。(4-0になってからは)精度も落ちたし、こういう試合は難しい。力の差があったし、早い段階で点差が開くと難しい感じになる。でも、30分ぐらいまではすごくよかった。あれを継続してやれれば。感覚や距離感はやらないとつかめない。1試合やったことが意味ないとは思わない」
―先発は普段と違うメンバーもいたが?
「気を付けたことは特にないし、難しいことも特になかった」
―森重との連係は?
「相手はロングボールを使って20番がターゲットにになるから、どっちがいくかをハッキリさせた」
―次は相手がキプロスだが、強化になるか?
「分からないけど、組まれてしまっているのでやるしかない。アメリカに行ってから強い相手とやれたらベターだと思う」
―2失点目の場面の対応は?
「クロスが自分を越えて、振り向いたときにはやられていたので、よく見えなかった。1失点目はアクシデント的な部分もあった。ただ、防げた失点だと思うし、その前に止めるべきだった。2失点とももったいなかった」

●DF酒井宏樹(ハノーファー)
「4-0になってチームが前がかりになって、前と後ろの意図が合わない部分もあった。でも4点取れたことは素晴らしいし、勝ったので」
―岡崎との関係は?
「オカさん(岡崎)が裏を取ったのも2回ぐらいあった。(山口)蛍が見逃さずに出してくれて、その形はよかった。ただ、個人的に結果を残せなかったのは事実。点を取られた場面も、チームのテンションが高くて、それに合わせて前に行ってしまった。アンラッキーな部分もあったけど、20番はサイドに流れてきていたし、右サイドが2人になっていたので、あそこでうまく守れればよかった」
―W杯まで残り3か月だが?
「ドイツでやっている以上、周りのレベルは高い。ラスト10試合に出て、しっかり終わって、メンバーに選ばれれば、いいコンディションで合流したい」

●DF酒井高徳(シュツットガルト)
―メンバー発表前最後の試合だったが?
「代表でのパフォーマンスもそうだと思うけど、それぞれの所属チームでのプレーもしっかり見てくれていると思うので、今回はこれで終わってしまったけど、チームに帰ってしっかりアピールしたい」
―ニュージーランドはあまり強くなかったが、強化になるのか?
「相手もしっかりやってきたと思うし、その相手にやられてしまったところもある。しっかり修正しないといけない。得点の部分を見ても、自分たちの得意な形で点を取れたのはプラスになるかなと思う」

●GK川島永嗣(スタンダール・リエージュ)
「厳しい日程の中で、前回のオランダ戦、ベルギー戦から継続してやれることをやろうとした。良い入りができたし、良いゲームができたと思う」
―4点取ったあとは?
「前に焦りすぎたり、個人のところで焦りがあった。90分通して前へ前へという気持ちが強すぎたと思う。試合前もオランダ戦、ベルギー戦にプラスして積み重ねていかないと意味がないし、内容と結果を出そうという話をしていた。コンディションとパフォーマンスを考えると、良い部分も出たし、まだまだ積み重ねていかないといけない部分もある。自分たちがよりゲームをコントロールしていかないと。自分たちより強いチームを相手に先制したときに、ゲームを落ち着かせていかないといけない」
―長谷部不在だったが、ボランチへのケアは?
「できるだけ声をかけて、カウンターをつぶせるように声をかけた。うまく2人がバランスを取ってくれた」
―新しい力が出てきたのはプラス?
「そうですね。だれが出ても同じようにやれないといけないし、W杯で勝ち上がるには1試合2試合がベストパフォーマンスでもダメ。同じ選手だけでは勝ち抜けないと思う。違う選手が出ても良い形をつくれたのは良かったと思う」
―4-2で勝つと、2失点を忘れがちだが?
「僕自身は勝てたことに満足しているし、こういう日程の中で一人ひとりの意識が高かったと思う。ただ、個人的には満足していない。90分を通して、完璧ではなくてもコントロールできないといけない」
―丁寧に試合を運べば無失点で終えられた?
「ミスはしょうがないけど、それをどう立て直すかが重要。前半は味方同士で体に当たって入ってしまった。小さな差だが、それが大きな結果に結びついてしまう。一人ひとりがしっかりやらないと」
―後ろから見ていて香川がPKを蹴ったときはどう思った?
「そうですね、『お、真司が蹴るんだ』と思いましたね。W杯へ向けてもそうですし、自分自身が成長するために自分から意思表示をする。今日も佑都がキャプテンをやりましたし、そういう年代の選手がチームを引っ張っていくというのはすごくいいこと。チームとして一人ひとりの意識の強さがチームとしての強さにつながっていくと思う。ああいう一つの単純なゴールも彼にとってはより大きな自信になると思う。チームに戻って気持ち良くプレーしてもらえればいいと思う」
―この後、チームに戻ってどのようにレベルアップしていく?
「僕自身は今シーズン、優勝するチャンスもある。これから残り2試合やって、その後はプレーオフになる。1試合1試合大切なゲームになる。ゲームの中で自分がやれることをより増やしていきたい」

(取材・文 西山紘平、河合拓、矢内由美子)

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