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新天地を求めた甲府MF阿部の決意「試合に出続ける」

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[3.8 J1第2節 F東京1-1甲府 味スタ]

 新たなユニフォームに身を包んだMF阿部翔平は、新天地のヴァンフォーレ甲府で開幕からスタメンに名を連ね、甲府での公式戦2戦目となったF東京戦でも90分間ピッチに立ち続けて、チームの今季初勝ち点獲得に貢献した。

 06年から名古屋に8年間所属し、10年のリーグ初制覇に貢献。不動の左SBとしてプレーしていたが昨季限りで契約満了となり、今季から甲府に移籍した。名古屋時代にも経験のある左ワイドのポジションを手に入れているが、まだシーズン開幕直後の影響もあり、チームメイトと息の合わない場面があっただけでなく、正確無比な左足キックもチャンスに結びつけられずに本領発揮とはいかなかった。だが、これからの可能性を前向きに語っている。

「自分にとっても初めての移籍なので、これから今日以上にチームに馴染んでいける部分はあると思う。一人ひとりの特長も分かってきているので、どういうボールを出せばチームメイトを生かせるかをもっと考えてやっていきたいし、自分の特長を出していくにはポジションの近い選手との連係をさらに高めていきたいですね」

 F東京戦でJ1出場は228試合目を迎えた。これはこの試合のベンチ入りメンバーを含めてチーム最多、さらにベンチ外のメンバーを含めてもDF土屋征夫の288試合に次ぐチーム2番目の数字だ。多くの経験を積んできたからこそ、「勝ち切るための試合の運び方や、今日のように引き分けに持ち込める方法があると思う。若い選手が多いチームなので、そういうことを身に付けることは大事だし、伝えていければいいなと思っています」と自らの経験をチームのために還元したいと語った。

 J1で228試合出場を誇る経験豊富な男だが、リーグ戦での得点はいまだゼロ。これまでも毎年「今年こそは得点」と語っていたように、「今季の個人的な目標は1ゴールです」と話したが、「一生の課題かもしれませんね」とおどけてみせた。

 だが、ゴール以上に大事なものがある。それがチームの勝利だ。そのためにも「試合に出続けたい。甲府は決してビッグクラブではないので、1年を通して考えれば難しい時期を迎えることもあるかもしれません。その中でも試合に出続けるのがいい選手だと思うし、チームの助けになれればと思っています」と新天地での決意を語った。

(取材・文 折戸岳彦)

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