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日本高校選抜は静岡県ユースとドロー、次戦は大垣フェス

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[3.9 静岡県ヤングサッカーフェスティバル 日本高校選抜2-2静岡県ユース選抜 藤枝総合]

 第29回静岡県ヤングサッカーフェスティバルが9日に藤枝総合運動公園サッカー場で行われ、日本高校選抜は2-2で静岡県ユース選抜と引き分けた。

 試合は40分ハーフで行われ、日本高校選抜は15分に左CKから先制したものの、すぐさま17分に追いつかれると21分には逆転を許した。1点を追う展開の中、前半32分にMF山田武典(青森山田高)がミドルシュートを決めて追いついたが、後半は静岡県選抜に押される時間帯が長く、再度の勝ち越しはならなかった。日本高校選抜は今後、21日~23日に開催予定の大垣フェスティバルに参加し、作陽高(岡山)や浜松開誠館高(静岡)、大垣工高(岐阜)などと同ブロックで対戦する見込み。チームを率いる前橋育英高(群馬)の山田耕介監督は「何人か負傷状況を考慮して出場しなかった選手もいたが、交代をしながら可能な限りの選手を出場させた。一人ひとりの特徴が段々と分かって来たところ。チームの核になる選手は見えてきた。大垣でメンバーを決めたい。今日は内容面では完ぺきに相手が上。前半はシュートが2本。守備もラインがバラバラだった。攻撃ではダイレクトプレーを増やしたいし、守備では連動してボールを奪うためにプレスをどのようにかけるのかという部分を大垣で詰めていきたい」と次戦に向けて修正すべき課題を挙げた。

 試合は、4月に3年生となる1学年下の静岡県選抜が主導権を握った。立ち上がりは日本高校選抜がパスワークで押し込もうとしたが崩しきれず、逆に静岡県選抜が高精度のロングフィードで相手のライン裏を急襲。前半2分、13分と右サイドを破ってクロスからゴールを狙った。それでも、先制したのは日本高校選抜だった。前半15分に松田天馬(東福岡高)が蹴った左CKをボランチで先発した柴戸海(市立船橋高)が頭で合わせてたたき込んだ。

 しかし、静岡県選抜は直後の17分に左MF望月大のスルーパスで抜け出したFW北川航也(ともに清水ユース)が、カバーに入った相手DFを鮮やかにかわし、GKとの1対1を制して同点。さらに前半21分には、ボランチの上原力也(磐田U-18)が右サイドから送った低い高速クロスに対し、北川がニアサイドに飛び込みながら右足を合わせて逆転に成功した。苦しんだ日本高校選抜は32分に右サイドから押し込むと、ゴール中央へ送ったパスのこぼれ球を山田が豪快に左足でシュート。「先制できたのは良かったけど、自分のミスで2失点した。どこかで取り返したいと思った矢先にボールが来たので、思い切って狙おうと思った。いつもシュートがアウトにかかるので、そこは計算して打った」という大きく曲がったシュートがゴール左へ突き刺さり、スコアを2-2とした。

 後半に入ると、日本高校選抜はハーフタイムに4人、後半22分に4人と大幅にメンバーを入れ替えた影響もあったか、守備面でボールの奪い所を失い、押し込まれる時間が続いた。一方、静岡県選抜は、後半に左DFからトップ下へポジションを移した水谷拓磨やCBからボランチへ移った宮本航汰(ともに清水ユース)を中心にショートパスで攻撃を組み立てたが、シュートを決め切れなかった。苦しんだ日本高校選抜は、球際の強さと高い危機察知能力を見せていた柴戸が後半からCBに入り「サイドをやられるのは仕方がない、中で止めようと言っていた。相手の北川君がすごかったので、CBになってからは彼の動きをすごく意識して臨んだ」と懸命にゴール前をケア。後半30分、静岡県選抜が北川の浮き球のパスに途中出場の大石竜平(清水桜が丘高)が飛び出した場面も日本高校選抜のCB坂圭祐(四日市中央工高)がカバーするなど粘り強さを見せた。

 終盤は早い攻撃の仕掛け合いとなり、日本高校選抜は左DF竹澤昂樹のFKにFW渡辺仁史朗(ともに富山一高)がダイビングヘッドで飛び込んだり、右からのクロスに寺村介(星稜高)が反応してゴールを狙ったりするなど勝利へのこだわりを見せたが、3点目は奪えなかった。この日は、2月に富士ゼロックススーパーカップの前座で行われた「NEXT GENERATION MATCH」で好プレーを見せたFW木戸皓貴(東福岡高)、横浜FM入団のDF北谷史孝(興國高)らがコンディション調整のために出場を見送った。彼らの復帰とともに、最終目標となる4月のドイツ遠征(デュッセルドルフ国際ユース大会に出場)に向けたチーム力アップに期待がかかる。

(取材・文 平野貴也)

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