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昨季MVPを完全撃破、横浜FM小林「スイッチが入った」

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[3.12 ACL第2節 横浜FM1-1広州恒大 日産ス]

 右サイドを完全封鎖した。広州恒大の左ウイングには昨季のACLで得点王とMVPをダブル受賞し、驚異的なスピードを誇るFWムリチが配されていたが、対面する横浜F・マリノスの右SBはまったく慌てない。時には体を寄せ、時には距離を置きながらも相手のキープレーヤーを封じ込める。黙々と仕事をこなしたDF小林祐三は、試合開始直後のピンチが自身のスイッチを入れたと語っている。

 前半6分、広州のFWアレッサンドロ・ディアマンティに最終ラインの裏を狙われ、高精度のパスを通される。小林自身が「あのタイミングで出てくるのかと思った。あれはJリーグではなかなか体験できない。10cmズレていたらボールを取れていたのに、取れない場所に落とされた。あれでギアというか、自分のスイッチが入りました」と語ったように、イタリア代表にも名を連ねる名手のプレーが背番号13を「集中力が切れなかった」というゾーンへと誘った。

 その後も「あまり1対1にはなりたくなかった」と語ったムリチとのマッチアップは続く。裏に抜けるスピードだけでなく、足下の技術もあるためプレーの選択肢が豊富にあり、的を絞りずらい状況だったが、ほとんどの場面で前を向かせない。難敵が相手だからこそ小林はある決断を下して、その後もスピードスターを監視下に置き続けていた。

「(中澤)佑二さんと話したのですが、彼(ムリチ)を離すと怖かったので、いつもならマークを受け渡す場面でも僕がメインとなって彼を見る時間を長くしました。相手の左SBも高い位置を取っていたので、そこはヒョウ(兵藤慎剛)や(佐藤)優平に見てもらった。2人はきつかったと思うけど、周りの選手と協力しながら守備ができたと思う」

 チームメイトと意思疎通を図ることで、相手の左サイドを機能不全に陥らせた。思ったように仕事ができなかったムリチが後半28分にピッチを後にしたことが、小林の守備がほぼ完璧だったことを証明している。

 守備だけでなく攻撃でも機を心得たオーバーラップで攻撃に厚みを加えるなど、ピッチの至るところで存在感を発揮した。しかし、好パフォーマンスを披露しながらもホームで勝ち点3を獲得できなかったことは本人にとっても不本意だったようだ。「広州のエンジンもかかっていなかったと思うので、今日の出来だったら勝ち点3がほしかったというのが正直なところです」と語りながらも、確かな手応えもつかんだようだ。「久しぶりに国外の格上と言われるチームと対戦できたのはいい経験になる。皆も全然やれると思っただろうし、僕も改めてやれると思ったので、アウェーでの試合ではもっと勇気を出してやっていきたい」と次節以降の必勝を誓った。

(取材・文 折戸岳彦)
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