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[PUMA杯2014]決勝に届かず…浦安FP星「ミスマッチを気にしたら、名古屋には勝てない」

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[3.15 PUMA杯2014準々決勝 浦安1-11名古屋 代々木]

 前日の準々決勝で、バルドラール浦安セグンドが接戦を演じていたこともあり、トップチームのバルドラール浦安は、王者・名古屋オーシャンズを倒すのではないかという期待があった。だが、浦安のキャプテンであるFP星翔太は、試合がより難しいものになると感じていたという。

「名古屋には、余力がめちゃくちゃあるなと思っていたから、今日の試合で(セグンドと)同じようにうまくいくとは思っていませんでした。(リーグ・プレーオフFinal Roundの)大分戦でも、彼らはそれをやっていたから。初戦に6-7で負けて、次の日はギアを入れ直して、7-0で勝った。それと同じことが起きるなと思っていたから、僕はその準備はしていたし、チームもしていたと思います」

 FP小宮山友祐は「昨日のセグンドみたいに、シンプルに球際に行くとか、走るとか。そういう積み重ねができればよかった」と、振り返ったが、実際にこの日の浦安のプレーは、どこか思いきりの良さに欠けた。個が強い相手に勝つためには、走る量や切り替えの早さで上回る必要がある。しかし、そのどちらも名古屋が上回っていた。

「そうですね。それがこの場面で出ちゃうのが、このチームの弱さだと思う」と、星も認める。その要因は、何なのか。「結局、はっきりしていなかった」と、続ける星の語気は強くなっていった。

「迷う場面が増えれば増えるほど、足は出ない。迷わないから、足が出るのであって。やっぱり名古屋が相手だと、ミスマッチもある。でも、そういうのを気にしていたら、名古屋には勝てない。名古屋の選手はビビらない。ミスマッチなんてないと思っているから。監督が求めるものは、いつもと変わらない。でも、選手が『名古屋が相手』となると、いつもと同じプレーができない。相手が名古屋になると、前を向けるところでも、前を向かない。練習でやっていることができない。そうしたら試合は勝てない」

 その名古屋について、星は「正直、今年が一番強いです」と言う。
「外国人選手の質が高い。やっぱり、ペドロ・コスタと(ラファエル・)サカイくんですよね。名古屋の日本人選手が何をやっているかというと、2タッチでプレーするのと、警戒すべき選手にパスを入れる動作をして、相手を来れなくさせる。それができる選手たちもそろっています。それに徹している日本人の強さと、彼らに対して『もっと自信を持っていいんだよ』と言えるペドロ・コスタとサカイくん。個の力のあるシンビーニャや(森岡)薫くんだけならまだしも、あのペドロ・コスタとサカイくんがいるのが厄介です」

 PUMA杯の準決勝という大舞台で、あらためて名古屋の強さを体感した星。「ボールポゼッションできれば、どうにかなるかと思っていたけど、それが今後の課題かなと思います。一生懸命やるだけでは、勝てない。より戦略的にも、相手にストレスをかけられるようにならなければいけない」と話す。大敗の中で見つかった課題を、一人ひとりが今後の財産にしなければならない。

(取材・文 河合拓)

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