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[PUMA杯2014]14度目の挑戦で初の決勝に立つ北海道FP神「現役最後の決勝かも」

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[3.15 PUMA杯2014準々決勝 町田1-9北海道 代々木]

 エスポラーダ北海道のFP神敬治が、初めて全日本選手権に出場したのは、19歳のときだった。それから14年、ついに神は決勝の舞台に立つチャンスを得た。準々決勝では、北海道は,ペスカドーラ町田に9-1で勝利。前半から攻守に存在感を示していた神は、後半7分に、鮮烈なゴールを決めていた。

 このシーン、GK関口優志のロングスローが、右サイド深くに走り込んだFP嵯峨祐太に通る。嵯峨はボールを落とすと、走り込んだ神が強烈なシュートを叩きこんだ。「今日はたまたま入りました」と謙遜する神だが、嵯峨との連係については、自信を持っている。

「嵯峨がトラップして、嵯峨だったら、あそこは見てくれるなと思って、ちょっと寄って行きました。そうしたら、良いボールをくれた。GKがイゴールだったから、下手なことをしても入らないので、思いっきり打ったら、たまたま良いコースに行ったのが良かったです」

 そう喜ぶ33歳のベテランは、気を引き締める。「ただ、これを継続することが一番大事。決勝に進んだからOKではない。優勝しないといけないし、最後までしっかり粘り強く戦えればと思います」と、名古屋オーシャンズとの大一番を見据えた。

 今季、北海道はリーグ戦で名古屋に4戦全敗だ。それでも、勝機がないわけではないと、神は強調する。「全部負けていますけど、良い試合はできています。確かに名古屋は、個人としてはすごくみんなうまいし、強い。でも、やれないことはない。失点が重なると難しいと思うので、今日みたいに我慢していれば、1失点、2失点くらいで終盤まで行けば、名古屋も疲れてくると思うし、勝機が出てくると思う。そこを目指していきたいです。粘り強くやることが大事。決勝で、みんなテンションも高いだろうし、楽しんでやりたいですね」と話す。

 頼もしいデータも、ある。準々決勝で北海道はリーグ戦で4戦全敗だった神戸を下し、準決勝では1分3敗と同じく未勝利だった町田を撃破した。リーグ戦4戦全敗だった名古屋にも、その借りを返し、初のタイトルをつかむつもりだ。

 神も「ここまで14年かかっていますし、何度も、何度も、来れる舞台ではない。もしかしたら、現役で最後の決勝になるかもしれないので、勝ちに行きたいです」と、言葉に力を込めた。

(取材・文 河合拓)

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