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東京Vが先制も千葉が劇的弾でドローに持ち込む

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[3.16 J2第3節 東京V1-1千葉 味スタ]

 J2第3節が行われ、東京ヴェルディジェフユナイテッド千葉が味の素スタジアムで対戦した。試合はスコアレスで折り返した後半に動いた。後半8分にDF吉野恭平のゴールで東京Vが先制したが、試合終了間際の同45分にDF山口智がゴールを奪って千葉が同点に追い付き1-1で終了した。

 東京Vは4-2-3-1のシステムを採用し、前節から左SBをDF舘野俊祐からDF安在和樹に入れ替えた。千葉の27.18歳に対し、スタメン11人の平均年齢が23.27歳と若いチームが今季初勝利を目指す。対する千葉も同様に4-2-3-1のシステムで、前節から右SBをDF天野貴史に代えてDF竹内彬を起用してこの一戦に臨んだ。

 前半は互いにミスが目立ち、攻撃の組み立てに四苦八苦する。ホームの東京Vは最終ラインでしっかりとボールを回して千葉守備陣に綻びが生じたところを突いてパスを狙うが、息が合わずにパスミスを繰り返す。たとえ縦パスが通っても敵陣に入ると、相手のプレッシャーに屈して簡単にボールを失い攻撃権を渡してしまった。

 一方の千葉はボールを保持する時間が長いものの、最後の局面でのプレー精度を欠いてシュートまで持ち込めない。トップ下に入るMF町田也真人が技術の高さを示して攻撃にアクセントを加える場面もあったが、決定機には結び付かなかった。前半中盤にはサポーターから「シュート打て」との声も上がったように、相手守備網を崩し切るには至らなかった。

 前半11分にDF安在和樹のクロスからFW平本一樹が左足で合わせて、この試合のファーストシュートを放ったが、その後は両チームともにPA内に侵入する回数が限られる。枠内に飛んだシュートは前半30分に町田のパスを受けたFW森本貴幸がミドルレンジから右足で狙い、GK佐藤優也にキャッチされた場面くらい。前半終了間際には東京Vが立て続けにチャンスを迎えるも平本がドリブルで強引に持ち込んで狙ったシュートも、安在が左足で狙ったシュートも枠を捉えることはできず。得点の匂いがしないまま前半を終えた。

 後半に入ると東京Vが前への姿勢を示し始める。右からは18歳のMF高木大輔が、左からは19歳のMF前田直輝が積極的に仕掛け、さらには18歳の右SBのDF安西幸輝と19歳の左SB安在も果敢に攻撃参加を繰り返す。そして迎えた後半8分、ついに待望の先制点が生まれる。左サイドでFKの好機を得ると、安在が左足から繰り出したボールを19歳の吉野がピタリと頭で合わせて先制点を叩き込んだ。

 先行された千葉の鈴木淳監督は早々と動いた。後半16分に昨季J2得点王のFWケンペスとMF谷澤達也を同時投入して、反撃を試みる。直後の後半17分には左SBのDF中村太亮のクロスをケンペスが打点の高いヘッドでゴールを狙うも、ボールは枠の外に外れた。流れを引き寄せようとする千葉だったが、その後ゴールを脅かしたのは東京Vだった。

 鋭い寄せで千葉の攻撃を寸断すると、縦に速い攻撃でゴールに迫る。後半30分に迎えた平本の決定機はGK岡本昌弘のセーブに遭い、直後には安西が右サイドから持ち込んでシュートを狙うが枠外に飛ぶなど追加点は生まれなかったが、東京Vが主導権を握って試合を進めた。

 しかし、試合はこのまま終わらない。試合終盤になって千葉が前への圧力をかけると、試合終了間際の90分に左サイドから中村が上げたクロスにDF山口智が合わせて劇的な同点ゴールを奪う。後半ロスタイムには千葉が谷澤、東京Vが菅嶋と両チームともに決定機を迎えるがGKがファインセーブを見せて、ゴールは割らせず。1-1のまま試合終了を迎えた。

(取材・文 折戸岳彦)
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