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浦和で初先発の李「ゴールこそFWの力」

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[3.19 ナビスコ杯グループB第1節 柏2-1浦和 柏]

 シュートゼロに終わったストライカーは唇を噛んだ。「自分らしいプレーをしようと思っていた。日立台も懐かしいピッチだったので、自分のゴールで勝利に貢献したいと思っていた。負けたくなかったから本当に悔しい」。今季、イングランドのサウサンプトンから浦和レッズに加入し、初先発を飾ったFW李忠成。相手は05年から4年半を過ごした柏レイソルとあって、燃えないわけはなかった。

 3-4-2-1の1トップで出場すると前線に止まるだけでなく、中盤まで下がって攻撃の組み立てに参加するなど幅広く動き、前半17分には鮮やかなパスで先制点を導いた。相手CBのDF近藤直也を引き連れながら中盤まで下がると、MF柏木陽介の縦パスをワンタッチで後方のMF宇賀神友弥へと流す。宇賀神のシュートはポストに阻まれたものの、MF梅崎司が詰めて先制に成功した。

「人を生かして自分を生かすのが自分の持ち味です。ゲームをしないと分からない部分もあったけど、前半に良い形でボールに絡めてそれが結果につながったのは良かったと思う」と自身の持ち味を発揮して生まれたゴールを喜んだが、やはりゴールが一番だと続けた。「でも、自分がゴールするのがFWの力だと思う。今日はノーチャンスだったので、切り替えてやっていきたい」。

 記録上のシュートは0本だったが、チャンスがなかったわけではない。後半37分には、右サイドから送られた梅崎のグラウンダーのクロスを右足で合わせてゴールネットを揺らした。浦和での初得点はオフサイドの判定に取り消されたものの、ゴールへの嗅覚を示した場面だった。

 90分間試合に出場したことで、「体も仕上がってきているので、次につなげられればいい。自分がこれから1トップで出るか、シャドーで出るか分からないけど、ミシャ(ペトロヴィッチ監督)のサッカーなら、前線の距離感をもっとよくすればワンタッチでのパス交換も多くなるし、攻撃のバリエーションは増えると思う」と一定の手応えも感じているようだ。そして「チームとして自分が力になれるようにやっていきたい。先発でもベンチスタートでもチームの力になりたい」と力強く語った。

(取材・文 折戸岳彦)
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