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躍動した左の翼、柏DF橋本「2つのポジションを極める」

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[3.19 ナビスコ杯グループB第1節 柏2-1浦和 柏]

 左サイドを疾走し続けて攻撃を活性化させた。柏レイソルのDF橋本和はタッチライン際でアップダウンを繰り返し、左サイドから幾度となく好機を生み出した。リーグ戦3試合では4バックの左SBを任されていたが、3-4-2-1を採用したこの日はいつもより一列前の左アウトサイドで起用された。高めのポジションになるからこそ、橋本は自分の持ち味をより発揮しようと考えていた。

「4バックと3バックでは役割が違います。4バックでは守備に重心を置きますが、3バックのアウトサイドならある程度高い位置でスタートできます。攻撃に絡む回数が多くなるし、攻撃的に行くのは自分の持ち味の一つなので、思い切り良く仕掛けることを心掛け、裏に抜けられるところでは裏に抜けるイメージを持ってプレーしました」

 その言葉どおり、試合序盤から左サイドを制圧する。浦和も3-4-2-1と同システムを採用しているため、自然と対面するMF関口訓充とのマッチアップが増えるが、ほとんどの場面で主導権を握り、特にボールを持った場面では圧倒した。タイミング良く攻め上がってボールを引き出すと、MF田中順也とのコンビネーションで幾度となく敵陣深くへと侵入。前半14分にはPA内までボールを持ち込んでシュートを狙い、前半43分には自らが上げたクロスの流れからFWレアンドロがPA内でファウルを誘い、同点に追い付くPKを獲得した。

 好連係を見せた田中との関係を「(田中)順也とは同じレフティーなのでやりやすいと感じる部分はあります。特に前半はグループで良い崩しができたかなと思います」と振り返ったように、前半に見せた田中とのコンビネーション、そして自身のパフォーマンスは圧巻だった。しかし、関口をベンチに追いやった後半に入ると徐々に勢いを失っていく。浦和がDF濱田水輝を投入してDF森脇良太をアウトサイドに上げたことで「ディフェンシブになり、スペースがなくなった」と、失速した要因を語った。

 しかし「要所要所で仕掛けることができた」と語ったように、何度か左サイドを崩して好機を演出し、後半29分にはクロスがあわやそのままゴールインかという場面も作った。逆転して今季初白星を収めたことには、「リーグ戦ではスタートダッシュがうまくいきませんでしたが内容が悪いわけでもない。今日みたいに浦和のような強いチームに勝てたのは今後につながっていくと思います」と胸を張って話している。

 今後もチームは3バックと4バックを併用していく可能性が高いが、橋本は前向きに捉えている。「どちらのシステムを採用するかによって求められるものは全然違います。でも両方のポジションをもっと高いレベルでできるようになれば自分にとっても強みになる」と語ったように、躍動した左の翼はより高みを目指す。

(取材・文 折戸岳彦)
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