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[MOM988]U-17日本代表FW岸本武流(C大阪U-18、1年)_ブームに沸くトップ昇格へ、ゴール求めるストライカー

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[3.20サニックス杯国際ユース大会 U-17日本代表6-0ディナモ・バルナウルユース グローバルアリーナ]

 試合の主導権を握りながらも一点が遠い、苦しい状況を打破したのはストライカーの本能を呼び起こす一振りだった。U-17日本代表のFW岸本武流(C大阪U-18)は前半26分にMF小川紘生(浦和ユース)のスルーパスから相手DFの間を抜け出して先制点を奪うと、続く32分には「いいクロスで決めやすかった」と振り返ったように、左サイドを破ったDF吹ヶ徳喜(名古屋U18)がゴール前に送ったパスをスライディングで合わせてネットを揺らした。泥臭くもチームに勢いを与える一撃は、憧れという日本代表のFW岡崎慎司(マインツ)を彷彿とさせるゴール。「ハットトリックしたかった」と唇を噛んだが、勝利をもたらすには十分な働きだった。

 高校入学時にはJアカデミー3クラブによる争奪戦が繰り広げられた本格派ストライカーだが、これまでは代表と縁がなく、今回が2回目の世代別代表招集。昨年5月に初めて招集された際は、「緊張して何も出来なかった」と持ち味が出せずに終わってしまった。

 だが、中学時代に所属していた奈良県の桜FCから「何かの縁かなと思う」と進路選択の一つの要因となったスペイン語で同じ「桜」を意味するセレッソに進んでからは、「僕のプレーを引き出してくれるし、思いっ切りの良さを発揮させてくれる監督だった」という大熊裕司監督の下、持ち味である馬力を活かして「ゴールへの意識が強くなった」と成長へと繋げた。学年が一つ上がり、少し大人になったストライカーは今回も「最初はチームに馴染めてなくて不安やったけど、周りが上手い選手ばかりで、やりやすかった」と心の余裕を持って、日の丸を背負えるまでに成長を遂げた。

 今季は2年生ながらも、チームでもエースとして期待される存在。将来はプロ入りを目指しており、「刺激になるし、僕も同じ場所に立ちたいなって思う」というトップチームのMF山口蛍、FW柿谷曜一朗らの背中を追う。一方で、“セレ女”ブーム沸くトップチームとは違い、「ユースの見られ方は変わらない。今はモテないので、同じようになって欲しいですね」とちょっとした悩みも抱える。「ここまで点が獲れるようになってきたり、順調に来ているので、今年は得点王を目指したい」という目標を叶える事が出来れば、トップ昇格とセレッソアカデミーの“モテキ”にも近づくはずだ。

(取材・文 森田将義)

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