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[イギョラ杯]イタリア系FWディサロが劇的な決勝FK!三菱養和SCユースが藤枝明誠下す

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[3.20 イギョラ杯D組 藤枝明誠高0-1三菱養和SCユース 赤羽]

 第24回2014国際親善ユースサッカー「イギョラカップ」は20日、予選リーグ2日目を行い、藤枝明誠高(静岡)対三菱養和SCユース(東京)戦は後半アディショナルタイムにFWディサロ燦シルヴァーノが決めた決勝FKによって三菱養和が1-0で勝利した。三菱養和はこの後に行われた成立学園高(東京)戦を0-0からのPK戦の末に落としたものの、勝ち点7で1位トーナメント進出を決めた。

 決定機をつくりながらも0-0で迎えた後半アディショナルタイム、三菱養和は抜け出したMF瀬古樹がペナルティーアークでGKに倒されてFKを獲得。ファウルで止めたGKが一発退場となるなど騒然とする中、ディサロが放った左足シュートが鮮やかにゴール左隅へ吸い込まれ、直後に試合終了を告げるホイッスルが鳴った。

 イタリア人の父と日本人の母を持つ技巧派FWディサロは再三迎えたビッグチャンスを活かすことができていなかった。この日各校の終業式が行われた関係で、三菱養和は藤枝明誠戦と夕方からの成立学園戦に主力を分ける形で試合に臨んでいたため、やや連係不足の面があり、加えて雨の影響でスリッピーなピッチ。ディサロはいい形でボールを引き出して抜け出すシーンがありながら、シュート精度を欠いていた。それでも試合終了間際に渾身の一撃で決勝弾。「このまま終わったらDFもゼロで抑えているんで申し訳ないと思っていた。最後入れたのは良かったですけど、終わった後に監督やコーチにも言われたのは、『こういう時でも(上を目指すストライカーならば)2、3点取れなければダメだよ』と。それは自分でも分かりました」。ホッとした表情を見せたと同時に、今後へ向けて奮起することを誓っていた。

 父親の仕事の関係で中学1年時はイタリアで過ごしたというディサロ。ミラノの郊外、チェドラテーゼという街クラブでゴールを量産したというFWは名門・インテル主催のキャンプに参加し、その際に「(キャンプの)1回目の練習でクラス分けされて上のクラスでプレーして声をかけてもらった。練習に呼ばれたけれど、日本に帰ってくることになって参加はしていないです」とインテルのアカデミーチームへの練習参加を打診されたという才能だ。高校年代で注目の存在のひとり。技術と抜け出しの速さを兼ね備えるFWはこの日、複数のJクラブスカウトもチェックする中で最低限の仕事をしてチームを勝利へと導いた。

 ディサロがインパクト十分の決勝点を決めたことで、やや霞んでしまったが、高校年代最高峰のリーグ戦であるプレミアリーグEAST開幕を控える三菱養和は悪い流れの中でも失点をせずに最後に勝ち点3をもぎ取った。前日に行われた前橋育英高(群馬)戦も流れの悪い時間帯を最少失点で切り抜け、MF相馬勇紀とDF根上鉄平のゴールで2-1で勝利。堅守で勝ち点3を掴んだチームはこの日も根上ら3バックやGK畚野直柔の好守で得点を許さなかった。そして攻撃面では前半23分に左FKからディサロがGKと1対1となると、後半には新1年生MF戸張颯太のスルーパスにディサロが抜け出したほか、相馬のスルーパスからFW下田悠哉が決定的なシュートへ持ち込んだ。高速アタッカーの相馬が周囲を活かしたパスや縦へのスピードで決定機をもたらすなど、アタッカー陣が攻撃力も発揮。相馬は「最後のフィニッシュの一本のパスだとか最終的な判断の精度とかが今一番課題になっている。そこをみんなで一致させていければ、崩しの部分で点は入ると思う」と手ごたえを口にしていた。

 プレミアリーグEASTでの戦績は11年、12年がいずれも降格すれずれの8位。昨年も7位で残留して歴史をつないだ。東京の街クラブが強豪校、Jクラブユース勢に食い下がり、勝ち点を積み重ねて、生き残ってきた。今年もまず第1目標はプレミア残留、そして少しでも上位へ進出すること。山本信夫監督は「チームの財産として残してほしい。昨年よりもパワーがなくなった分、さらに粘り強くやっていくことが重要」と引き締める。ディサロも「どんだけ下でも残留していることは大きいし、先輩たちが今年もオレたちのために舞台を残してくれているのは、自分たちも自覚をもって、誇りをもってやらなければいけない」と誓っていた。

 一方、新人戦静岡県4強の藤枝明誠も前日に4-3で打ち勝った成立学園戦の先発メンバーがこの試合では先発を外れてサブ組中心の陣容だった。だが、相手のバイタルエリアで前を向く回数が多く、前半10分には期待の1年生MF佐藤諒が強烈な右足シュートを打ち込む。15分にもFW松本祐希が左足ミドルを放つと、後半には左SB牛場橘平がPAから決定的なシュートを放つシーンもあった。DF陣も相手のパスをPA手前で引っ掛け、GK山本諒一のビッグセーブもあって終了間際まで0-0。プレミアリーグ勢に健闘した。この試合の30分後に行われた前橋育英戦でもMF大塚聖磨を中心としたパスワークとサイド攻撃から再三クロスにまで持ち込むなど、相手のAチーム相手に対抗。結果、連敗となったものの、チームにとって前向きな2試合だった。

(取材・文 吉田太郎)

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