beacon

[イギョラ杯]プリンス関東1部優勝も過去2年で全国1勝のみ、「全国で勝つチーム」目指す前橋育英が4発勝利

このエントリーをはてなブックマークに追加

[3.20 イギョラ杯D組 成立学園高2-4前橋育英高 赤羽]

 第24回2014国際親善ユースサッカー「イギョラカップ」は20日、予選リーグ2日目を行い、成立学園高(東京)対前橋育英高(群馬)戦は4-2で前橋育英が勝った。

 前日の三菱養和SCユース戦からメンバーを入れ替えてMF野口竜彦ら先発の半数に2年生を起用した前橋育英だったが、それでも選手権東京都予選準優勝の成立学園相手に勝利した。前半7分にシュートのこぼれ球を野口が押し込むと、13分にはMF小泉佳穂からのパスを右サイドで受けた野口が中央へ切れ込みながら左足一閃。強烈なミドル弾をゴール右隅へ突き刺して2-0とリードを広げる。

 ただ前橋育英は藤巻博志コーチが「いい形で進められると思いましたけれど、選手間の距離が開いてしまい、上手くできなかった」というように徐々に成立学園にボールを握られる時間が増えてしまう。MF守屋怜治とMF柴田知樹のコンビが運動量多くボールに絡む成立学園は注目の10番MF上田悠起が左足でチャンスメーク。またFW町田ブライトやFW上村諒斗のスペースへの飛び出しが得点機をもたらす。ただ成立学園はボールを失った際の守備のバランスが悪く、逆に奪ってから速く、ボールの運び方も上手い前橋育英に一気にゴール前まで押し込まれてしまった。

 前橋育英は20分にも野口のインターセプトからFW田端竜馬がGKと1対1となり、決定的なシュート。そして26分には自陣で左SB吉田朋恭が奪ってから素早くボールを縦へ運ぶと、相手DFの陣形が整う前に敵陣中央でパスを受けた田端がGKの頭上を射抜く鮮やかなミドルシュートを決めて3-0とした。

 それでも成立学園は太田昌宏監督が「点取れるシーンを多くの回数作れている。流動的に全員がボールに関わって攻撃する部分はできている」と納得の表情を見せたように、組織で攻めてチャンスをつくり、得点に結びつける。前半31分、左サイドからの折り返しを町田が決めて1点を返すと、後半5分には上村が決めて1点差とした。

 その後も左SB中村瑞生の右足シュートがゴールを捉え、26分には上村のスルーパスから交代出場のMF平園尚臣が抜け出す。だがこれを前橋育英GK{{山岸健太}に止められると、28分に上田が放ったグラウンダーの左足ミドルも右ポストを直撃してしまう。対する前橋育英は29分、MF吉永大志のラストパスで抜け出したFW横澤航平が左足で鮮やかに決めてカウンターを完結。4-2で勝利した。

 昨年、柏U-18や横浜FMユース、浦和ユース、市立船橋高など強豪集うプリンスリーグ関東1部で優勝した前橋育英だが、過去2年間における全国大会での勝利は12年度選手権の宮古戦の1勝だけ。藤巻コーチは「全国で勝つこと。全国制覇とかではなく、1つ、2つと全国で勝つことをチームで考えている」。MF鈴木徳真とMF渡邊凌磨のU-17W杯日本代表コンビなど注目集めるチームだが、目標はプリンスリーグ連覇や全国制覇よりもまずは全国大会での勝利。上州の実力派は、まだ主力の1人、2人が抜けるとチーム全体が危うくなる部分もあるだけに、チーム全体で逞しさを増して全国で勝つチームになる。

(取材・文 吉田太郎)

TOP