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[サニックス杯]市立船橋vs東福岡!東西名門校対決は市船に軍配!

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[3.22サニックス杯国際ユース大会準々決勝 市立船橋高3-1東福岡高 グローバルアリーナ]

 サニックス杯国際ユースサッカー大会2014の3日目が21日、福岡県宗像市のグローバルアリーナで行われ、グループリーグの上位チームによる決勝トーナメントの初戦で昨年夏の全国高校総体王者、市立船橋高(千葉)と九州を代表する名門・東福岡高(福岡)が激突。3-1で市立船橋が勝利した。

 日本高校選抜に参加中の朝岡隆蔵監督とGK志村滉を欠いた市立船橋は「個人戦では完敗でした」とDF小林瑞知が嘆いたように、スピードのあるMF増山朝陽赤木翼の両翼から攻め込む東福岡に主導権を握られるが、ゴール前に上がるクロスをDF藤井拓主将を中心とした3バックが冷静に跳ね返す。奪ってからは「個人の持ち味を全面に出そうと思っていた」(小林)と速さのあるMF永藤歩、北澤晃太らを活かすべく、前線へシンプルにロングボールを配球。前半28分にはタッチライン際でボールを持った永藤が前線のFW磯野隆明へとパス。素早くPA右に落とし、走り込んだ北澤がDFに競り勝ってシュートを狙うも、GK甲斐宏志のセーブに拒まれてしまう。

 0-0まま迎えた後半には、6分に東福岡のFW木藤瞬介に決定機を与えてしまったが、GK岩佐大輝が上手くブロック。「守備陣は頑張ってくれていたんで、攻撃陣の自分たちがしっかり決めていれば勝てた試合。特に後半の立ち上がりさえ決めていれば、流れはうちになっていたと思う」(増山)と相手が悔やんだ一撃を防ぐと、後半9分だ。市立船橋はDFラインでボールを奪うと、素早く前方へロングフィードを展開。MF古屋誠志郎がフリーで抜け出してPA右で受けると、前に出たGKの脇へ冷静に流し込む。このゴールで勢いに乗った市立船橋は続く11分にも、ドリブルで中央を突破した磯野のシュートが左ポストに直撃。ゴール前にこぼれたボールを北澤が押し込み、突き放しに成功するが、25分には左サイドを東福岡DF堀吏規伸に崩され、上げられたクロスを増山に頭で合わせられて点差を縮められてしまう。

 グループリーグでは得点後に気の緩みから失点差を重ねる事が多かった市立船橋だったが、この日は逃げ切りを狙うのではなく、勝ち切るために攻めの姿勢を崩さず。2点目を奪いに出た東福岡の攻撃を封じこみながら、果敢に攻撃に打って出る。狙い通り、終了間際の39分には途中出場のMF工藤友暉が左からゴール前に送ったパスに逆サイドのMF鵜澤恵太が反応。豪快にけり込んだ一撃がダメ押しゴールとなり、東西を代表する名門対決に決着をつけた。

 続く、準決勝のU-17日本代表戦では0-2で敗れ、優勝はならなかったが、朝岡監督からベンチを託された佐藤陽彦コーチが「あえてバランスが崩れるようなフォーメーションを作って、選手の強化を行う段階。監督からも、『練習試合だと思って、全員を使おう』と言われており、グループリーグでも多くの選手を使っていた」と話す。取り組みの最中だという攻撃も「今年は昨年のFW石田雅俊(現・京都)のようなエースがいないので、毎試合ゴールを奪えるとは思ってなかった。監督にその事を報告したら、『それは凄いね』と驚かれた」という。

 タイトルこそ掴めなかったが、試行錯誤中にも関わらず、強豪と好ゲームを演じ続けた事は大きな収穫。「今は自分の出来ない事をやる期間。チームが今後上手くいくように個人戦術を上げていく事が狙いなので、失点をしても、試合のギアを上げて奪い返せるようになったのは良かった」(小林)と選手たちは前を向いた。

(取材・文 森田将義)

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