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本職でない左SBでデビュー戦を迎えた川崎F谷口「不安だったけど、うれしかった」

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[3.23 J1第4節 F東京0-4川崎F 味スタ]

 不安はあった。本職のボランチではなく左SBでデビュー戦を迎えたのだから当然だろう。だが、川崎フロンターレの大卒ルーキーはきっちりと役割をこなして完封に貢献するだけでなく、アシストも記録してチームを今季初勝利へと導いた。風間八宏監督も「頭の良さやフィード力が随所に出ていた。攻撃を組み立ててくれたし、素晴らしいデビュー戦だった」とDF谷口彰悟を褒め称えた。

 練習では左SBを経験していたが、リーグ戦での出場、それも先発出場を伝えられたのは「試合前日」で、「ビックリしたし、不安はありました」と続けた。しかし、それ以上に「試合に出れる方がうれしかったです」と自身のプロデビューを待ち望んでいたことを明かした。経験の少ない左SBでの出場になったからこそ、心掛けていたことがある。「自分のプレースタイルではない上下の運動を続けるよりも、落ち着いてしっかりつなごうとしました。つなぐ部分が自分の持ち味なので、それを出していければ良いと思いました」。

 指揮官が称賛したように、谷口は正確なキックで攻撃にリズムをもたらした。それだけでなく、前半ロスタイムにはカウンターから果敢に攻め上がり、ピンポイントクロスでFW大久保嘉人の得点をお膳立て。「相手の戻りが速い感じではなかったし、行けそうな感じだったので思い切って行きました。クロスは(大久保)嘉人さんが見えたので、そこを目掛けて蹴りました」と利き足とは逆となる左足で、プロ初アシストを記録した。

 さらに守備でも自サイドを完全に崩されることはなく、F東京攻撃をシャットアウトした。「守備では自分のところからやられないように、すごく集中してプレーできたと思う。プレッシャーはもちろんありましたが、その中でもゼロに抑えられたのは自信になります」と振り返ったが、デビュー戦の自己評価を聞くと、「自分としてもどう評価していいのか…。逆にいろんな人にどうだったかを聞いてみたいと思います」と笑って答えた。

 本職ではない左SBで結果を残したことで、今後も同ポジションでの起用は十分に考えられる。本人は戸惑いながらも「SBはボランチと比べて全体を見れるので、そういう部分では落ち着いてプレーできます。まずは自分のできることを精いっぱいやりたいです」と新境地への挑戦にも意欲を示した。

(取材・文 折戸岳彦)

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