[3.28 ミズノカップU-18IN香川予選リーグ第1戦 九州国際大付高4-1津工高 瀬戸大橋記念公園球技場4]

　28日、ミズノカップU-18 IN 香川(うどん県)2014の予選リーグ第1戦で昨年の全国高校総体16強の九州国際大付高(福岡)と三重の強豪、津工高が激突。FW川崎航輝(新3年)のハットトリックの活躍などによって九国大付が4-1で快勝した。

　導入している体幹チューブトレーニングと杉山公一監督が「(新人戦の早期敗退から)初心に帰って」行ったという韓国遠征の成果。「1対9か2対8でボールを握られた。行けと言っても、剥がされて取れなかった。何とか耐えました」と指揮官が苦笑する内容だったが、それでも九国大付は隙を見せずに好守からのカウンターで4発快勝だ。
　
　前半5分、九国大付はCB田村勇斗主将(新3年)が厳しいプレッシャーで相手MFからインターセプト。そのまま中央を駆け上がり先制ゴールを叩き込んだ。さらに33分には杉山監督が「人にぶつかることを怖がらない。人に逃げないです。でっかいCBは嫌でしょうね」と評する川崎がゴールを破って前半を2-0で折り返した。

　小柄な選手の多い津工はMF高木一磨(新3年)やMF橋本賢治(新2年)を中心に徹底的にボールを動かしてグラウンダーで勝負。加えて藤田一豊監督が大きな期待を寄せる新1年生の注目アタッカーコンビ、MF東出壮太がキレのあるドリブルとアイディアのあるパスを見せれば、FW橋本祥英が俊足を活かしてゴールへ迫るなど対抗した。

　ただ、後半開始直後にもFW富永京太(新3年)がゴールを強襲するなど、ボールを奪ってから素早く攻める九国大付は12分、ボールコントロールを誤った相手CBから川崎がインターセプト。そのまま左足でゴールを破ると、14分にも再び相手DFからインターセプトした川崎がドリブルで持ち込んで右足シュートを叩き込んだ。津工も後半31分に高木のゴールで1点を返したが、九国大付が白星発進した。

　九国大付は1月の福岡県新人戦では2回戦で修猷館高に0-1で敗戦。昨年の九州新人戦準優勝校がまさかの県初戦敗退を喫した。そこから徹底的に走りこんできたチームは同時に体幹トレーニングを強化。そして今月半ばから4泊5日の韓国遠征を実施し、元韓国代表DFでJリーグでも活躍したユ・サンチョル監督率いる蔚山大などと練習試合を行った。蔚山大には歯が立たず大敗したものの、体幹トレーニングでの強化に手ごたえを感じていたチームはその後韓国人高校生の激しい当たりにも負けずに納得の成果を残して帰国してきた。

　そして韓国遠征からぶっ通しで野洲遠征を行ってきたチームはこの日も疲れの色を見せずに守備意識と走力などフィジカル面の高さを発揮。初戦を快勝で終えた。昨年のエースで福岡大へ進学したMF山下敬大のような絶対的なエースはいないが、激戦区・福岡で地位を確立している試合巧者は今年も勝つための準備を整えつつある。
　
[写真]後半12分、九州国際大付FW川崎がこの日3点目となるゴール

(取材・文　吉田太郎)

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