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長女誕生の橋本が先制するもまさかの引き分け「すごい悔しい」

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[3.29 J1第5節 柏2-2大宮 柏]

 柏がペースをつかみ始めた前半27分、待望の先制点は柏の左WBから生まれた。MFレアンドロ・ドミンゲスのFKが大宮にクリアされると、こぼれ球を拾った高山がGKとDFの間に鋭いボールを送る。目の前でワンバウンドした難しいボールだったが、利き足の左で押し込んだ。

 26日に長女が誕生し、パパとなってから初めての公式戦でのゴール。得点後にはフィールドプレーヤー全員で“ゆりかごパフォーマンス”を披露した。「自分が(点を)取ったら絶対にやろうと思っていた」。事前にチームメイトと話していたわけではないと言うが、ゴールを決めると自然と選手が駆け寄り第一子の誕生を祝った。

 この日の得点で今季3点目。プロ6年目の橋本は、昨年まで通算2ゴールで、驚異的なペースでゴールを量産していると言える。自分に課されている役割を「点を取る仕事じゃない」と言うが、「取れるにこしたことはない」と自信をのぞかせた。FW工藤壮人、FWレアンドロ、ドミンゲスら強力なアタッカーが揃う柏において、現在チーム得点王。「最近では和くんのほうが点を取ってるので」。エースの工藤は冗談まじりに語ったが、対抗意識を燃やさずにはいられないだろう。

 殊勲の先制点を挙げた橋本だが、ミックスゾーンでの表情は暗かった。それもそのはず、柏がペースを握ってラスト10分まで試合を進めたにも関わらず、同点に追いつかれたからだ。「自分のミスがらみの失点でもあったので、(ゴールが)チャラどころかマイナス」。後半40分の2失点目、MF家長昭博のクロスボールは風に乗って橋本の頭上を越えて後ろ控えていたDF菊地光将へ。トラップした菊地は豪快に右足を振り抜き、そのシュートをDF高橋祥平が頭で押し込んだ。もちろん橋本一人の責任によるところではないが、柏に与えたショックは大きい。

「今日はすごい悔しいですけど、次につなげるしかない」。橋本は来週水曜日に控えるナビスコ杯に向けて前を向いた。

(取材・文 奥山典幸)

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