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全得点に絡む活躍を見せた鹿島MF柴崎「未来の良い材料になる」

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[3.29 J1第5節 横浜FM1-3鹿島 日産]

 全得点に絡む活躍を見せた21歳は充実の表情を見せていた。鹿島アントラーズのMF柴崎岳はボランチの位置で攻撃を巧みに操り2得点を演出すると、試合終盤にはトップ下にポジションを上げてダメ押しゴールを叩き込んだ。逆転勝利へと導いた立役者は「いつも以上にしゃべり過ぎたかな」と笑いながら、ミックスゾーン(取材エリア)を後にした。

 1点を先行された鹿島は流麗なパスワークで同点に追い付く。そして、その攻撃のスイッチを入れたのが柴崎だった。DF青木剛からパスを呼び込むと、瞬時にその視線を前へ向ける。「横、横の展開となっていたので縦を意識した。相手守備にもどこかで必ず穴が開いてくると思っていたのでパスが通せて良かった」と振り返る鋭い縦パスはMF遠藤康へと渡り、最後はFW土居聖真が流し込んだ。同期の土居のゴールに柴崎は「うれしかったし、チームが前に行く勇気を与えてくれた」と語った。

 すると、後半35分には自らの右足でMF野沢拓也の得点をアシストする。MFカイオのPA内での仕掛けは相手DFに阻まれるも、そのこぼれ球が柴崎の足下へと向かってくる。ミドルシュートという選択肢もあったが、鮮やかなループパスを野沢へと通した。「自分が打つにはタイミングが合わなかったし、野沢さんの動き出しが見えたので判断を変えた。ゴロだと相手に読まれる可能性があったので浮き球で通した」。野沢がダイレクトで叩き込み、アシストを記録したが、「ゴールがあってこその結果です。難しいボールだったけど野沢さんらしいゴールを決めてくれたのが一番うれしい」と、チームメイトへの賛辞を惜しまなかった。

 そして、ダメ押し点は柴崎の左足から生まれる。後半42分、カイオが前を向いてボールを受けると、トップ下へとポジションを移していた背番号20は前線へと走り出す。「中澤選手の右側に抜けようと思ったけど空いてなかったので、DF2人の間を抜けようとした」と絶妙な動き出しでボールを受けると、「あまり頭で考えていなかった。コースを肌で感じられた」と左足で落ち着いてゴールに流し込んだ。

 リードを許す苦しい展開となったが「追加点を与えなけらばチャンスはあると思っていた。1点取られても焦らずにできた」と冷静に試合を運べたと振り返っている。さらに今季、若手が結果を出し続けている現状を、「シーズンは始まったばかりだし、チームとして成長できる見込みがある。今年だけでなく鹿島が強くあり続ける、未来の良い材料になっていくと思う」と語ったように、若手の成長こそがチームに明るい未来をもたらすことを信じている。

(取材・文 折戸岳彦)

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