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[ミズノカップIN香川]新指揮官就任、原点再確認の広島観音が筑紫に勝利

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[3.29 ミズノカップU-18IN香川予選リーグ第2戦 筑紫高0-2広島観音高 香川県営第二サッカー・ラグビー場]

 ミズノカップU-18 IN 香川(うどん県)2014は大会2日目の29日、予選リーグを行い、筑紫高(福岡)対{c|広島観音高}}(広島)戦はFW八尾侑亮(新3年)の2ゴールによって広島観音が2-0で勝った。

 3月20日に出木谷浩治前監督の移動が発表され、3年間コーチを務めてきた内田仁氏の監督就任が決定。非常に慌ただしくミズノカップを迎えた広島観音だったが、現2年生は内田新監督の下、昨年HiFAアドバンスリーグで成長してきた選手が多く、ベンチと選手とのコミュニケーションは非常に良好だった。そしてピッチ上では広島観音の原点に戻って進められた守備の整備の成果。前線からのプレスでパスコースを限定し、ポジション修正した中盤以降の選手たちが相手の動きを予測してパスをインターセプトし、最終ラインのカバーリングも安定していた。

 この日はゲーム主将のMF{{山本誠也)}とMF岡西政治(ともに新3年)が中盤で狙いすましたインターセプトを連発。そこからのショートカウンターで決定機をつくり出した。まだ攻撃に移った際のイージーミスが多く見られたが、それでも技巧派FW浅田敬太朗(新3年)と八尾の2トップや左MF森重麗(新3年)のパワフルな突破は破壊力十分。前日の香川西戦で圧巻のプレーを見せていた森重はやや不発だったものの、浅田がサイドを個人技で攻略し、タッチ数の少ないパスでのカウンターでシュートチャンスをつくり出すなど筑紫ゴールを攻め立てた。

 昨年の全国高校総体福岡県予選3位の筑紫も落ち着いたボールキープで攻撃の起点となるFW宇野友貴(新3年)や155cmと非常に小柄ながらボールの置きどころと動き出しの良さでDFを苦しめたMF大山海斗(新3年)中心に相手に隙あればシュートにまで持ち込んでくる。また守備面でもPAで体を張って何とか失点を免れていた。

 それでも広島観音は前半24分、岡西のシュートのこぼれ球をPAで拾った相手に猛然とプレッシャーをかけた八尾がゴールへ押し込んで先制点。その後もサイドから山本や森重が決定的なラストパスを配球していた広島観音は後半29分にもCKから八尾が頭で加点して2-0で勝った。

 内田新監督の下、ミズノカップ2連勝とした広島観音。新指揮官が選手たちにもうひとつ指摘したことがある。広島観音は現安芸南高(広島)監督の畑喜美夫氏が指揮を執っていた06年に全国高校総体優勝。また全国高校選手権でも8強へ進出するなど、選手主導のボトムアップ型育成が話題を呼んだ。現在ボトムアップ型育成がより注目され、畑氏の活動はテレビなどのメディアで取り上げられているが、その際広島観音はボトムアップ型育成の原点として紹介される。

 内田新監督はその中で「(周囲が評価して)言われるほど自分たちがやっているのか。本当の自主性とは何か話した」という。特に試合中、声の量が少なかったことなどを選手たちは反省。八尾は「怪我でキャプテン(DF坂井淳、3年)がいなくて、ずっと試合中の声だったりが少なくて、自主性がどうなんだということを言われました。ただ、このミズノカップはみんな声出すようになって、淳も『きょう声出ていたよ』と言っていたので、少しずつ自主性という部分も出てきているんじゃないかと思います」と語った。

 広島観音は筑紫に勝って2戦2勝としたが、準決勝をかけて戦った桃山学院高戦を0-0(PK3-4)で敗戦。予選リーグAパート2位で敗退が決まった。ただ、今回のミズノカップは自分たちがやらなければならないことを再確認し、また大黒柱の坂井不在の中で、内容のいいサッカーを展開。シーズン本格開幕へ向けて弾みをつける大会となっている。

(取材・文 吉田太郎)
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