beacon

10人の熊本が乱戦を制す。ホーム初黒星の横浜FCは2連敗

このエントリーをはてなブックマークに追加

[4.5 J2第6節 横浜FC0-1熊本 ニッパ球]

 J2は5日に各地で第6節を行い、横浜FCはホームでロアッソ熊本と対戦した。両チーム合わせて10枚のイエローカードが乱れ飛んだ一戦は、前半に1点を挙げた熊本が退場者を出しながらも1-0で勝利。開幕戦以来、5試合ぶりとなる勝利をあげている。一方の横浜FCは前節の福岡戦(0-1)に続き、2連敗となった。

 前節、後半アディショナルタイムの失点で今季初黒星を喫した横浜FCは、MF佐藤謙介とFWホナウドが今季初先発。また、昨季まで熊本でプレーしていたGK南雄太、一昨季まで熊本に在籍していたDF市村篤司も先発に名を連ねた。一方、開幕戦以降4試合未勝利(1分3敗)の熊本も、DF蔵川洋平とMF岡本賢明が今シーズン初めて先発入りしている。
[スタメン&布陣はコチラ]

 球際で激しく競り合う両チーム。最初にチャンスをつくったのは、横浜FCだった。前半6分、左サイドでMF野崎陽介が落としたボールを受けたDF中島崇典がゴール前にクロスを入れる。これをFW黒津勝がヘッドで合わせたが、GK畑実にパンチングされて得点はできない。同15分には中盤でボールを奪った熊本も、MF岡本賢明からFW齊藤和樹にボールをつなぎ、齊藤がシュートを放ったが、ボールは右に逸れて行った。

 前半21分に熊本は、横浜FCのDFドウグラスが負傷し、ピッチ外にいる状態で齋藤が鋭いシュートを枠に飛ばしたが、GK南が正面で抑えた。横浜FCは佐藤、MF寺田紳一の両ボランチが遠い位置からゴールを狙うが、こちらも得点を挙げることはできない。同29分には寺田のドリブル突破から横浜FCがチャンスを広げ、黒津がシュートを放ったが、DFにブロックされた。

 接触が多く、途切れることの多い試合を先に動かしたのは熊本だった。35分、養父のスルーパスにオーバーラップしたDF片山奨典が折り返し、詰めていた齋藤がゴールに流し込み、1点を先行する。横浜FCも前半39分にはロングボールを受けた黒津が胸で落としたボールをFWホナウドがボレーで狙ったが、これは枠を外れて行く。

 横浜FCも前半43分に決定機をつくり出す。人数を掛けた攻撃から、最後はホナウドの落としをフリーで受けた小野瀬が前を向き右足を振り抜いたが、ボールはGK畑の正面を突き、決定機を生かせない。押し込む横浜FCは同45分にも、CKの流れから寺田がミドルシュートでゴールを狙ったが、右に逸れて行った。このまま前半はアウェーの熊本が1点をリードして折り返す。

 後半の立ち上がりも荒れた展開が続き、横浜FCは寺田、ドウグラスが立て続けに警告を受ける。後半12分に山口素弘監督は最初の選手交代を行い、ホナウドを下げて、FWパク・ソンホを起用した。

 その後も横浜FCに攻撃の形をつくらせない熊本は、後半21分にDF蔵川洋平がGK南のポジションを見て、ロングシュートでゴールを狙う。しかし、これはGK南が懸命に戻ってクロスバーの上へ逃れた。同24分に横浜FCは、小野瀬をベンチに下げて、DF永田拓也をピッチに送り込む。

 後半25分に熊本は速攻からMF橋本拳人がGK南と1対1になるが、シュートをブロックされて追加点のチャンスを生かせない。1点をリードする熊本は同26分にMF岡本賢明に代えて、FW中山雄登を起用する。その2分後にも、MF澤田崇に代えて、FW巻誠一郎を送り出した。

 前掛かりになる横浜FCに対して熊本は、効果的に速攻を繰り出すが、得点を挙げることができない。すると後半36分に熊本は、橋本が2度目の警告を受けて退場処分となる。横浜FCは最後の交代枠で市村を下げて、MF小池純輝をピッチに送り出し3バックに変更して前に圧力を掛ける。熊本も仲間を下げて、DF園田拓也を投入し、交代枠を使い切り、守備固めに入った。

 後半41分に横浜FCは、ドウグラスのフリックしたボールを受けたパク・ソンホが反転してゴールを狙ったが、GK畑に阻まれる。こぼれ球を佐藤が回収してシュートに持ち込んだが、これも右サイドネットに外れた。10人の熊本を押し込む横浜FCは、45分に佐藤が守備ブロックの前からシュートを放つが、GK畑の正面を突いた。

 アディショナルタイムに得たCKでは、GK南も最前線に攻め上がった横浜FCだったが、最後までゴールは遠く0-1で敗戦。ホームで今季初黒星を喫した。

(取材・文 河合拓)

TOP