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[MOM295]同志社大MF松井修平(2年)_念願の1部デビュー戦で大学王者からゴール

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[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[4.5 関西学生リーグ前期第1節 大阪体育大2-2同志社大 J-GREEN堺]

 プロを目指して故郷を離れ、選んだ関西の舞台。念願の1部リーグで同志社大MF松井修平(2年=桐光学園高)が持てる力を発揮した。

「相手は昨年のインカレ優勝校。1部に昇格したばかりの自分たちは挑戦者という気持ちで挑んだ」という試合前の意気込み通り、立ち上がりこそ相手に押し込まれる場面もあったが、攻守で健闘。相手を警戒するばかりに速攻主体になりがちだったチームをパス回しの起点となって落ち着かせ、機を見てはスルーパスでFW鶴崎光ら前線の選手を使い、攻撃の核としてチームを引っ張った。

 極め付けは15分。「チーム全体でボールを動かしながら、良いタイミングで自分が相手の裏に出られた」と話したように、中盤でのパス回しに関与しながらも、思い切りよくPAまで飛び出して放ったシュートがネットを揺らした。結果的にチームは引き分けに終わったが、1部でもやれるという手応えを掴むために重要な一撃は、「今はボールを散らして攻撃のアクセントになってくれているけど、シュートまで行ければ、もっと面白い選手になれると思う」という望月慎之監督の期待に応えるゴールとなった。

 高校時代は中盤の底から繰り出す長短のパスを武器に、神奈川の強豪・桐光学園高の司令塔として君臨。背番号10を背負い、3年時にはチームを高校選手権ベスト4へと導いた。プロ入りと勉強の両立を目指して、進路に選んだ同志社大は入学前にまさかの2部落ち。1年目を決してレベルが高いとは言えないステージで過ごしたが、「今年卒業した先輩たちは全国での経験がある人たち。『プレスの速さや勝負強さ、一つ一つのプレーにかける思いを出さないといけない』などと教えてもらえたのは大きかった。決して、昨年はマイナスではなかった」とモチベーションを落とさず、試練の場と捉えた。

 そのお陰もあり、高校時代よりも得点に絡むプレーが増えただけでなく、「これまではボランチの相方に任せる事が多かったけど、レベルが上がった大学ではそうはいかない」と守備意識も高まった。プロ入りするために注目度が高まる1部リーグは絶好のアピールの場。「高校時代は大学もあるという余裕があったけど、大学では結果を残さないとその先はない。プロに行くためには得点やアシストなど目に見える数字を残さないといけない」と鼻息を荒くする彼にとって、この日の開幕戦は絶好のスタートダッシュとなったに違いない。

「2部だった昨年はプレッシャーがかかる試合は少なかったけど、今年は1部に昇格し、これまで以上に厳しくなる。今日でも厳しいプレッシャーがかかった時間もあったが、こういう試合を続ければ大きく成長するはず」と望月監督も更なる成長に期待を寄せる。彼の活躍はチームの成績も左右しそうなだけに今後の活躍にも期待だ。

(取材・文 森田将義)
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