[4.6 高円宮杯プレミアリーグWEST第1節 東山高1-0京都橘高 東山高醍醐グラウンド]

　6日、高校年代最高峰のリーグ戦、高円宮杯U-18サッカーリーグ2014 プレミアリーグWESTが開幕し、今年から昇格した東山高(京都)はプロ注目のFW鎌田大地のゴールで同じ昇格組の京都橘高(京都)に1-0で競り勝った。

　同じ京都市内に位置する私立校同士で、これまで何度もプリンスリーグや高校総体予選、選手権予選で競い合ってきたライバル校。加えて、同じ年にプリンスリーグ関西からプレミアリーグWESTに昇格した。「もっと遠くに行けば違うかもしれないけど、相手が相手だけにプレミアという感じがしない」と京都橘の米澤一成監督は冗談を交えて東山との対戦について話したが、“京都ダービー”に選手たちが燃えないわけがない。京都橘のDF倉本光太郎が「初戦やし、やっぱりダービーは勝たないといけないという思いが強かった」と話したように、気合い十分で両者がぶつかった。
　
　序盤、チャンスを作ったのは京都橘。「本人たち以上に保護者など周りの注目が高かったので硬さがあった」(福重良一監督)という東山相手に仙頭啓生と大野挙弥の両サイドMFとFW中野克哉による仕掛けでチャンスメーク。相手陣内でファールを誘っては、素早いリスタートでゴール前まで前進する。だが、DF吉井悟、種村幸也のCBコンビを中心に粘り強い守りを見せる東山の守備を崩せない。

　一方の東山は「立ち上がりは悪かったけど、決定機を与えなかったのが良かった。10分過ぎから自分たちのやりたい事が出来る時間が出始めた」と福重監督が振り返ったように、試合の経過と共に、徐々に自分たちのリズムを取り戻す。DFラインで相手の攻撃を封じると、素早くロングボールを前線に展開し、鎌田を起点に相手陣内へと進入。31分には中盤で相手のミスを奪ったFW黒木駿志が前線へとパス。これを受けた鎌田がドリブルで仕掛けて打ったシュートが、倉本に当たりながらもGKの頭上を越えてネットを揺らす。

　東山1点リードで迎えた後半は徐々にヒートアップ。激しい奪い合いから両者ともにチャンスを伺う機会が増える。後半19分に自陣右でボールを持った東山が大きく縦へと展開。前線で競り合ったこぼれ球を鎌田が狙ったが、惜しくもクロスバーに直撃。京都橘も44分に途中出場のDFハウザー・ケンがゴール前の混戦から抜け出し、シュートを放つもGK迫琢磨にブロックされる。45分にも右サイドでボールを受けた東山のDF福重瑛貴が不意打ちで狙ったミドルシュートが再びクロスバーに直撃するなど、両者最後までゴールを奪う姿勢を見せ続けたが、スコアは動かず、1-0で東山が勝利した。

　試合後、東山の福重監督は「非常に硬い試合で内容は満足の行く結果ではなかったけど、京都ダービーに勝てたのは収穫」と、試合内容が悪いなりにも白星発進したチームを評価したが、鎌田が「勝って嬉しかったけど、それ以上に内容が良くないし、相手に押し込まれる時間も多かった。初戦で硬いというのは分かるけど、委縮しているプレーが多かった。こういう部分が、僕たちが選手権など大事な試合で勝てない理由にも繋がっていると思う。今日のような内容を続けていると、プレミアでは勝てない」と不満を示したように課題も見えた一戦だった。「目指すのは残留だけど、やるからには一つでも上を目指したい」。指揮官が口にした目標を達成するためにも、初勝利に満足することなく、次節のG大阪ユース戦に気持ちを切り替えた。

[写真]鎌田(左)の決勝ゴールを喜ぶ東山イレブン

(取材・文　森田将義)

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