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[MOM1007]流通経済大柏FW儀保幸英(3年)_大怪我乗り越え復活の2発

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[4.6 高円宮杯プレミアリーグEAST第1節 流通経済大柏高 3-2 青森山田高 流通経済大柏高G]

 素晴らしいパスを通して2ゴールをおぜん立てしたMF相澤祥太が「儀保はシュートを持っているので、いいパス送れれば決まるかなと思った。(パスは)GKが出てきても止まるバックスピンのボール。あとは儀保のセンス」と称賛したFW儀保幸英(3年)の2ゴールが、昨年のプレミアリーグ王者・流通経済大柏高に開幕戦白星をもたらした。

 14年注目のゲームメーカーである相澤が流経大柏入学当初にそのプレーを見て「儀保ハンパなかったですもん。自分はここで出れるのかと思った」と評していた儀保。沖縄の読谷村立読谷中時代にはU-13日本選抜に名を連ね、流経大柏進学後は千葉県選抜として国体にも出場した。だが2年時は左ひざ前十字靭帯断裂の重傷によって10か月間試合に出ることができず。復帰して迎えている高校3年目のシーズンも体力面やゲーム感で課題を残し、まだ完全復活しているとは言い難い。ただ本田裕一郎監督も「まだゲーム感がないけれど、本当は凄い敏捷性があっていい子」と評するFWが期待に応えた。

 後半9分に交代出場でピッチへ入った儀保は指揮官の「強引に行ってこい」という指示を忠実に実行。ドリブル突破と相手の背後を狙う動きでDFにプレッシャーをかけると19分、相澤が中央へ通したスルーパスからスライディングシュートで2点目のゴールを沈めた。「(投入される前から相手DFの動きを)ちょくちょく見ていたんですけど、裏を警戒しているような感じではなかった。相手DFは大型なので瞬発的な動きもないかなと思っていた。どんどん裏狙っていこうということで相澤も裏狙ってくれるし、動いたら出してくれる。信じて走ったら来てくれて、落ち着いて決められてよかった」

 さらに23分、儀保は左サイドから斜めに動いたMF新垣貴之によってつくり出されたスペースをタイミングよく突く。ここに出された相澤のピンポイントパスを受けると、左足でGKの頭上を射抜く技ありの一撃を決めて3-0とした。終盤に迎えたハットトリックのチャンスをものにすることはできなかったが、連覇へ向けて大事な初戦白星の立て役者になった。今年、SHなどでもテストされてきたが、「自分はFWがいいんで、FWで出て点取ることができてよかった。仕事はゴール決めること」とFW起用に応える2発。この2ゴールを弾みに今後もその得点力を爆発させる。

(取材・文 吉田太郎)
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