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“黄金の雑草”DF塩谷「チャンスが転がってきている」

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 DFながら今季リーグ戦6試合4ゴール、ACLを含めると10試合6ゴールと大ブレークしている塩谷司(広島)が「(チームで)活躍しているから呼ばれていると思っている。好調で勢いがあるところが自分の良さ」と、“勢い”を武器に、代表サバイバル戦を勝ち抜くことを誓った。

 国士舘大から11年にJ2水戸入りし、12年に夏に広島へ移籍した。同年は3バックの右ストッパーとして3試合に出場するにとどまったが、昨年、12年の優勝メンバーであるDF森脇良太の浦和移籍に伴ってレギュラーを獲得。身体の強さや思い切りの良い攻撃参加で試合を重ねるごとに力をつけ、全34試合に先発出場(うち33試合フル出場)し、チームのリーグ最少失点とリーグ連覇に貢献した。

 定位置獲得から2年目の今季は、広島流の大胆な攻撃参加で開幕からゴールを量産。流れの中でのゴールはもちろん、FKを直接決めるというDFの概念を超えた攻撃力で存在感を日増しに高めてきた。広島の3-4-2-1とザッケローニ戦術には大幅な違いがあるが「サンフレッチェとやり方が違うので最初はちょっと戸惑ったが、徐々に理解できてきたと思う」と、今まで多くの初参加選手が苦しんできた戦術理解にも手応えを見せた。

 SB内田篤人(シャルケ)、CB吉田麻也(サウサンプトン)と最終ラインのレギュラーが相次いで負傷した。もともと守備の弱さが指摘されていたザックジャパンだが、ここに来てさらにコンディション面でも不安が増大中。新しい顔ぶれにかかる期待は大きい。

「今、チャンスが転がってきていると思うので、そのチャンスをつかめるように一日ずつしっかりやっていきたい」と、塩谷自身も意識が高まっている。

 ザックジャパンではSB候補としても考えられているが、「サンフレッチェでも攻撃のときはSBみたいな感じなので、攻撃に関しては大丈夫だと思う。DFのところがやったことがないので、そこは何とかやれるようにしていきたい。両方できるのはアピールできるポイントでもあると思う」と不安はない。

 今回の新顔メンバーには金髪選手が多いが、その中でも存在感はばっちり。J2水戸を振り出しに、ここ3年間で一気に代表候補まで駆け上がってきた“黄金の雑草魂”でブラジル切符をつかむか。

(取材・文 矢内由美子)

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