beacon

南野が練習試合で“代表初ゴール”「手応えを感じた」

このエントリーをはてなブックマークに追加

[4.9 練習試合 日本代表候補2-0流通経済大]

 日本代表候補に初選出されたFW南野拓実(C大阪)が“代表初ゴール”でアピールした。後半から出場した19歳は左サイドに入り、後半20分からはトップ下でプレー。1-0で迎えた後半35分にはMF柴崎岳の浮き球のパスのこぼれ球を左足で押し込んだ。

 2つのポジションでのプレーについて「自分としてはどっちもできるので、どちらも高いレベルでこなせるようになりたい」と貪欲に話す南野。後半30分の先制点の場面でもDF鈴木大輔の右クロスにニアサイドへ飛び込んで頭でそらし、FW川又堅碁のゴールを演出した。

「ゴールに関わったのはよかったところだと思う」と結果には納得しながらも、全体のパフォーマンスには不満も残ったようだ。「いくつかの場面では仕掛けられたと思うけど、もうちょっと攻撃のところで形になっていなかったし、フィニッシュまで行けなかった場面もあった。もう一つ高い質にこだわっていくことがチームに帰ってから大事になると思う」と、課題を挙げた。

 2段階飛び級で乗り込んだA代表候補合宿。「すごく新鮮だったし、貴重な経験ができた時間だった」と、3日間を振り返り、「前を向いて、自分のストロングポイントであるゴールに向かうという部分は手応えを感じた。今日の試合でも思ったけど、その中でもうちょっと最後のところをもっと増やしていかないといけない。それが今回の合宿の収穫です」と、冷静に分析した。

 最年少の19歳。W杯の登録メンバー23人に選ばれれば、98年のフランスW杯に当時18歳で出場したMF小野伸二(現ウェスタン・シドニー・ワンダラーズ)以来、史上2人目の10代でのW杯メンバー入りとなることもあり、大きな注目を集め、3日間を通して連日、多数の報道陣に囲まれた。

 それでも「プロに入ったときから年齢は関係ないと思っているし、いつもどおりの自分でやっていた」と浮き足立つことなく、プレッシャーについても「あまり感じない。自分は自分のやるべきことをやるだけだといつも思っているので」と落ち着き払っていた。

 5月12日のW杯メンバー発表まで約1か月。「もちろん、一番は23人の中に入ること」と話すが、「そこを目指して、今までどおり変わらずにやりたい。調子がいいところをアピールしたいし、そのためには結果にこだわりたい。そこがすべてだと思うので、そこにこだわりたい」と、代表候補合宿に参加したからといって、考え方もスタンスも変わることはない。

「サッカーを始めてからずっとW杯は夢の舞台だし、ピッチに立ちたいという気持ちはもちろんある。思いは強いからこそ、その日までに自分のやれることをやっていきたい」

 23人のベースは固まっているであろうW杯メンバーだが、数人の枠はザッケローニ監督も最後まで頭を悩ますはずだ。特に2列目のポジションはMF本田圭佑、MF香川真司、MF岡崎慎司、MF清武弘嗣に続く“5番手”の存在が決まっていない。

 海外組ではMF乾貴士、今合宿のメンバーではFW齋藤学、FW工藤壮人、FW原口元気、MF高萩洋次郎、さらには代表から遠ざかっているが、実績と実力は申し分ないMF中村憲剛やFW大久保嘉人らとの争いとなるが、逆に言えばこの中から少なくとも一人はW杯メンバーに入る可能性は極めて高い。

「自分は発表の日までやれることをやるだけだし、現時点ではあまり考えないようにしている。毎試合毎試合、100%でやるだけ」。Jリーグ、そしてACL。C大阪で結果を残し続けることが、夢舞台へつながっていく。

(取材・文 西山紘平)

TOP