[4.11 J1第7節 川崎F1-1柏 等々力]

　自身初の5戦連発はならなかった。川崎フロンターレのFW大久保嘉人は後半32分、MF中村憲剛からの右クロスにDFキム・チャンスと競り合いながらダイビングヘッドで飛び込んだが、シュートはゴール上へ。同35分には高い位置でDF渡部博文からボールを奪い、ドリブルで駆け上がる。鋭い切り返しでDF近藤直也をかわし、右足を振り抜いたが、シュートはDF鈴木大輔の体を張ったブロックに阻まれた。

　終盤には決定機もあったが、前半はなかなかシュートチャンスをつくれなかった。攻撃陣はFWレナト、FW小林悠、FW森島康仁、MF大島僚太ら多数の故障者を抱え、2トップを組んだのはリーグ戦初先発のFW安柄俊。なかなか攻撃でコンビネーションを発揮できず、相手に脅威を与えることができなかった。

「新しい選手が出てきても変わらないチームになることが大事。新しく出る選手にとってはチャンスだし、ここでいいプレーをすれば自信になる。自分もそうやって這い上がってきたし、チャンスだと思ってやってほしい」。普段、出場機会の少ない選手たちにゲキを飛ばす大久保は「そういう話は伝えているけど、やるのは自分たちだから」と、さらなる発奮を促した。

　5月12日のブラジルW杯メンバー発表まで1か月と1日。2012年2月のアイスランド戦以来、日本代表から遠ざかっている昨季のJ1得点王はわずかな可能性を信じて、最後までアピールを続けるつもりだ。「それまでJリーグで結果を出し続けてやっていきたい。W杯は出たい大会だし、あきらめてない。まだチャンスはあると思っているし、やっていくだけ」と力を込めた。

(取材・文　西山紘平)

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