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マンマークを逆手に取った横浜FM中村「逆においしい」

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[4.15 ACLグループリーグ第5節 横浜FM2-1全北現代 日産]

 ようやく実を結んだと大黒柱は振り返った。どうしても負けられない一戦を横浜F・マリノスはベースとなる4-2-3-1のシステムで臨んだが、トップ下に入るMF中村俊輔は相手アンカーMFキム・ナミルにマンマーク気味につかれ、自由を奪われてしまう。

 しかし、ここで司令塔は機転を利かしてチームのために動いた。中央から右に頻繁にポジションを移すことで、ゴール前にスペースを生んだ。「逆においしいんだよね、そういう状況(マンマーク気味にこられること)は。そうすると他の選手がビルドアップできるようになるから。だからボールを受けに行かないで、(サイドにキム・ナミルを引き連れて)ゴール前をきれいにしたかった」とポジショニングの意図を語っている。

 前半7分に先制されたチームは後半に入って4-4-2にシステム変更するが、これがハマった。前線の枚数を2枚に増やすことでアンカーのキム・ナミルは、右サイドに開いた中村を追い掛けることができない。背番号10を追い掛ければ、ゴール前で2対2の数的同数の状況が生まれてしまうからだ。執拗なマークから解放された中村は、ボールに触れる回数を増やして攻撃にリズムを生み出していった。

 後半からのシステム変更の効果を「2トップにして藤田(FW藤田祥史)がマイボールにしてくれたり、中盤を飛び越えて相手CBにプレッシャーを掛けてくれたのは大きいと思う」と語ると、「前半のチームと後半のチームは違っていた。前半は勝てる気がしなかったし、今までは2トップにしてもそのまま終わることが続いていたけど、藤田が頑張ってくれてオプション(のシステム)がバチッと合ったから、それはすごく良いことだと思う」と4-4-2への手応えを得たようだ。

 MF齋藤学の2発で勝利を得たことで、最終節に勝利すれば自力でグループリーグ突破を決める状況まで持ち込んだ。次節の広州恒大戦に向け、「相手のスタジアムは満員になると思うから、そういう中でプレーできるのは良いこと。セカンドボール争いや激しさが大事になってくると思う。次も勝たないといけない難しい状況だけど、今日以上の激しさを出してアウェーに乗り込みたい」と意気込みを示した。

(取材・文 折戸岳彦)

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