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2代目女王は空自入間、大会規模に拡大の予兆:全国自衛隊サッカー大会女子

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 全国の基地・駐屯地で活動するサッカーチームの日本一決定戦「第48回全国自衛隊サッカー大会」は20日、陸上自衛隊朝霞駐屯地で女子の部の決勝トーナメントを行い、決勝戦で航空自衛隊入間基地(空自入間)が2-0で航空自衛隊那覇基地(空自那覇)を下して初優勝を飾った。フットサル形式で行われる女子の部の開催は、2回目。プレ大会と第1回大会は陸自朝霞が優勝したが、新女王の誕生となった。なお、3位決定戦は、空自築城が2-0で空自小牧に勝った。

 決勝戦は、空自入間と空自那覇の顔合わせとなった。両チームは予選ラウンドAブロックでも対戦し、0-0で引き分けていた。空自入間は前半に柳ヶ浦高校女子サッカー部出身の内山田摩耶1士が左サイドからドリブルで中央へ切り込んでシュートを決めて先制。さらに同じ展開から今度は内山田1士のラストパスを受けた志田原眞穂士長が追加点を奪った。空自那覇は、GK五島侑帆士長が体を張った守備を見せて奮闘。終盤は、最後尾に置いていた主将の田邉浩子3曹を最前線に配置して勝負に出た。試合終了間際、空自入間はGKがオーバータイムのファウルを取られてFKを与えた際、壁に入っていた内山田1士がこの試合2度目の警告を受けて退場。リードしている空自入間が数的不利となって騒然としたが、そのまま2点を守り切って栄冠に輝いた。優勝した空自入間の主将を務めた崎川加菜3曹は「最後の一歩が出る、モチベーションを高く保つという部分で相手を上回れたと思う。だから、きん差の試合を勝ち進むことが出来た。監督やコーチ、応援してくれる人にも恵まれた」と周囲への感謝を示しながら、戴冠の手ごたえを語った。

 女子の部は、3チームで行ったプレ大会を経て、昨年に第1回大会を開催。今年は参加チーム数が9から12に増えてサッカー経験者の参加が散見されたことや、前回大会の出場チームが練習を続けてきたことによって、大会のレベルが引き上がった。大会関係者によれば、各基地・駐屯地からの出場の問い合わせは増えており、次回以降の日程や開催地の調整を考慮に入れているという。現在はサッカー、フットサルの経験者は数少ない状況だが、116名(パンフレット記載者。実数は若干前後する)もの女子選手が参加するようになり、各チームの活動が活性化。サッカー日本女子代表のなでしこジャパンやU-17日本女子代表のリトルなでしこの活躍を追い風に受け、自衛隊における女子サッカー、フットサルの普及は進みつつある。空自入間の崎川主将は「今回は優勝という結果が出て良かったと思っているが、第1回大会に比べて出場チーム数も上位チームの顔ぶれも変わっているので、今後の情勢がどうなるかは分からない。来年の目標となる連覇に向けて気を抜けない」と大会の熱気に刺激を受けていた。新女王が誕生した第2回大会を受け、どのような変化が生まれるのか。次回に向けて楽しみのふくらむ大会となった。

[写真]初優勝を飾った空自入間チーム

(取材・文 平野貴也=フリーライター)

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