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大迫の元チームメート、伊地知3曹が活躍:全国自衛隊サッカー大会

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 全国の自衛隊基地・駐屯地で活動するサッカーチームの日本一決定戦「第48回全国自衛隊サッカー大会」は、21日に陸上自衛隊朝霞駐屯地で男子の部予選ラウンド第1日を行った。

 第1試合では、陸上自衛隊滝ヶ原FBS(陸自滝ヶ原)が、主将、伊地知蓮3曹の活躍などで空自小松を2-0で破り、白星スタートを飾った。伊地知3曹は、鹿児島城西高サッカー部出身で日本代表FW大迫勇也(1860ミュンヘン)や大迫希(熊本)、鮫島晃太(長野)らとともに08年度の第87回全国高校サッカー選手権に出場し、決勝戦も右DFで先発フル出場を果たすなど準優勝に貢献した。高校卒業後は、公務員を目指して自衛隊に入隊。本格的にサッカーに取り組む生活は終わったはずだったが「高校サッカーを引退したときは、もうサッカーをやらなくていいんだという気持ちだった。自衛隊の訓練は厳しいけど、辞めたいと思ったことはない。高校時代のサッカーの方が辞めたいと思った。でも、卒業して実際にサッカーを辞めてみると、生活が物足りなかった。入隊してからこの大会や自衛隊の中でもサッカーが盛んに行われていることを知って、サッカー部に入った」と再び選手としての活動を再開した。

 今大会の初戦となった空自小松戦では、FW、右MFでプレー。試合終盤には、直接FKを決めて追加点を奪った。「壁が少し空いていた。雨で芝が少し濡れていたから、壁の空いているところからバウンドさせればGKは取れないだろうと思った。蹴った瞬間に決まったなと思った」という一撃が勝利を決定付けた。サッカーを続ける上で、プロになった仲間の活躍は刺激になっているという。「勇也は海外でも活躍しているし、結婚もして充実している。何か、負けたくないという気持ちになる(笑)。僕たち鹿児島城西高校の誇りだし、ワールドカップの日本代表メンバーに選ばれたら、鹿児島の期待を背負って世界を相手にプレーしてほしい」と最も刺激的な出世頭にエールを送った。もちろん、自分自身も大きな目標に挑む。「全自では、昨年はベスト8なので、それ以上の成績を出したい」と、高校時代に取り逃した全国大会優勝という栄冠に突き進む決意を口にした。

 この日は、ほかに3試合が行われ、第2試合では前回準優勝の海自厚木A.N.F.C.(通称:厚木なかよし)が5-1で陸自札幌を撃破。主将を務める市村淳3曹は「大会直前に訓練が重なって調整不足の不安もあったが、得点を多く取って勝つことができたのは良かった。昨年は(兄弟チームである)厚木マーカスに勝ったのに決勝で負けてしまった。今年こそ優勝を狙いたい」と順調な滑り出しに安堵の表情を見せた。第3試合は、空自熊谷が3-1で終盤に陸自ならではの運動量を発揮した陸自神町を下した。第4試合は、初参加の防衛大学校が5-2で空自岐阜に勝利。圧倒的な若さを武器に駆け回り、大量得点で存在感を示した。初参加ながら、優勝候補の一角に挙がることは間違いなく、台風の目となりそうだ。

 なお、大会は翌22日より試合会場を駒沢オリンピック公園に移し、一般観戦が可能になる。予選ラウンドは3チームずつ8組に分かれて総当たり1回戦を行い、各組1位が25日から始まる決勝トーナメントへ進む。


■第48回全国自衛隊サッカー大会男子の部
第1日(4月21日)・結果

<予選ラウンドA組>
空自小松 0-2 陸自滝ヶ原
<予選ラウンドB組>
海自厚木A.N.F.C. 5-1 陸自札幌
<予選ラウンドC組>
空自熊谷 3-1 陸自神町
<予選ラウンドF組>
空自岐阜 2-5 防衛大学校


■第48回全国自衛隊サッカー大会男子の部
第2日(4月22日)・予定
<予選ラウンドD組>
海自八戸 vs 海自厚木マーカス(10:00、駒沢第2)
<予選ラウンドG組>
海自大村 vs 海自美保(10:00、駒沢補助)
<予選ラウンドE組>
空自3補 vs 空自千歳(12:00、駒沢第2)
<予選ラウンドH組>
海自下総 vs 空自芦屋(12:00、駒沢補助)
<予選ラウンドF組>
防衛大学校 vs 海自舞鶴(14:00、駒沢第2)
<予選ラウンドA組>
陸自滝ヶ原 vs 陸自習志野(14:00、駒沢補助)
<予選ラウンドB組>
陸自札幌 vs 空自築城(16:00、駒沢第2)
<予選ラウンドC組>
陸自神町 vs 海自徳島(16:00、駒沢補助)

[写真]陸自滝ヶ原の伊地知3曹は直接FKでゴール

(取材・文 平野貴也=フリーライター)

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