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名門対決は海自下総に軍配、8強出そろう:全国自衛隊サッカー大会

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 全国の自衛隊基地・駐屯地で活動するサッカーチームの日本一決定戦「第48回全国自衛隊サッカー大会」は24日、男子の部予選ラウンド最終日を行い、前回優勝の航空自衛隊入間基地第3補給処(空自3補)、前回3位の海自下総、海自大村が決勝トーナメント進出を決めた。

 海自下総は、今年も館山基地との合同チームで参加。1勝同士で迎えた陸自北熊本をとの名門対決を4-1で制し、2連勝で8強入りを果たした。昨年まで選手として活躍していた平岩朋彦監督は「一戦一戦、成長できればいい。次は、初めて戦う相手なので、自分たちのサッカーがどこまで通用するのか試す良い機会。胸を借りるつもりで臨みたい」と、平均年齢の最も若い防衛大に対しても挑戦者の姿勢を貫く決意を語った。

 正確で鋭いパスを出すMF後藤隆志(3曹・桐蔭横浜大出身)、切れのあるドリブルでシュートチャンスを作り出すFW工藤良太(士長・八戸大出身)が攻撃の中心だが「新加入選手」も活躍を見せている。この日、後半に2得点を挙げたのは、2月に入隊したばかりのMF木村晋作(2士・新潟経営大出身)。シャドーストライカーとしての役割を果たし「初めての出場で決勝トーナメントまで進めて嬉しい。次の相手となる防衛大は予選ラウンドで大勝しているチームなので、そこに勝ってはずみをつけたい」とさらなる躍進を誓った。

 また、「新加入選手」は、若手ばかりではない。左のウイングバックには、昨年の大会で海自厚木A.N.F.C.(通称:厚木なかよし)の一員として準優勝に大きく貢献した松本誠吾(2曹・向陽高出身)の姿があった。転勤によって所属チームが変わったという。爆発的なミドルシュートが持ち味だが、この日は不発。「当たれば行くんですけど、なかなか当たらないものですから」と、こちらは苦笑いを浮かべた。それでも「雰囲気は良いので、波に乗れるかどうか。点を取れてはいるけど、要所で集中力が切れている。修正できれば(優勝候補のチームにも)食らいついていけると思う」と上位進出への思いは強い。前回の3位を超えられるか、注目だ。

 前回優勝の空自3補は先発メンバーを入れ替えて臨み、海自鹿屋に先に2点を奪われて苦戦。4点を取り返して勝ったものの、課題の残る勝ち上がりとなった。しかし、選手兼監督の熊谷哲平(2曹・大東文化大出身)は「メンバーを変えずに臨んで思い通りに進むより、全員で戦うこと、代わりに出るだけの準備をしてきた選手がいること、今日休めたメンバーがいることが大事だと思う。結果的に今日のこのゲームがあって良かったと言えるように勝ち上がりたい」と不安を一蹴。連覇に向けて突き進む姿勢を示した。

 海自大村は、空自那覇を3-0で下して決勝トーナメントに駒を進めた。藤本英志監督は「前線は若い選手が多いけど、球際が軽くて奪われている場面がある。自衛隊の大会は球際が厳しい。もう少し体を張れれば試合運びが楽になる」と注文を付けるが、前線がよく動いて流動的にポジションを変える攻撃が魅力だ。巧みなドリブル突破が目立ったMF山元曹志郎(士長・浮羽究真館高出身)は「今日はポストに2回当ててしまったので、もっと決めないといけない。空自3補の試合は一昨日見たけど、攻撃も守備も計算し尽くされている感じだった。どう崩すかだけど、とにかく動いて走り勝ちたい。勝ちます」と翌日の金星奪取を誓った。

 大会は翌25日より、予選ラウンド各組1位の8チームが参加する決勝トーナメントを開始する。1日も休みがない3連戦を勝ち抜くのは、どのチームか。


■第4日(4月24日)・結果
<予選ラウンドD組>
海自八戸 1-3 海自岩国
<予選ラウンドG組>
海自大村 3-0 空自那覇
<予選ラウンドE組>
空自3補 4-2 海自鹿屋
<予選ラウンドH組>
海自下総 4-1 陸自北熊本


■決勝トーナメント組み合わせ

4月25日(金)・準々決勝
陸自習志野 vs 海自徳島(10:00、駒沢第2)=A
空自3補 vs 海自大村(12:00、駒沢第2)=B
海自下総 vs 防衛大(10:00、駒沢補助)=C
海自厚木マーカス vs 海自厚木A.N.F.C.(12:00、駒沢補助)=D

4月26日(土)・準決勝
Aの勝者 vs Bの勝者(10:00、駒沢補助)
Cの勝者 vs Dの勝者(12:00、駒沢補助)

4月27日(日)・決勝
3位決定戦(10:00、味の素フィールド西が丘)
決勝戦(12:30、味の素フィールド西が丘)

[写真]前回3位の海自下総が、陸自北熊本を破って決勝トーナメントへ。先制点を挙げて喜ぶ高屋剛(3曹・三本木高出身)

(取材・文 平野貴也=フリーライター)

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