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優勝決定戦以来のゴールがスーパーボレー!柏MF茨田「狙っていた」

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[4.26 J1第9節 柏3-2浦和 柏]

 圧巻のボレーシュートが、柏レイソルの反撃の狼煙となった。0-1で前半を折り返した柏は、ハーフタイムで交代のカードを1枚切る。ダブルボランチの一角、MFハン・グギョンを下げてMF茨田陽生を投入した。潰し役のハンから、パサーの茨田へ。前節・横浜FM戦(0-0)でも同様の交代をしたが、この試合では交代策が見事にハマった。

 3分にはMF太田徹郎とのワンツーからドリブルでスルスルと抜け出してPA内に侵入。シュートは浦和DFに阻まれてしまったが、茨田投入で流れは変わった。「前半終わって、(ハン・)グギョンから『ボランチでボール受けるとプレッシャー弱いよ』という情報をもらった」。チームメイトからのアドバイスを実践し、早速チャンスを呼び込んだ。

 そして後半15分、ようやく柏にゴールが生まれる。DF鈴木大輔が自陣でMF原口元気へのパスをカットすると縦に素早くフィード。右サイドでパスを受けた太田は、マークについたDF濱田水輝を振り切ってクロスを送ったが、そのまま左サイドへ。流れたボールをDF橋本和が拾うと、中央を駆け上がっていた茨田へクロスを送る。茨田はダイレクトで右足で合わせると、ドライブがかかったシュートはそれまで好セーブを連発していたGK西川周作の頭上を越えてゴールネットに突き刺さった。「途中から出たときは攻撃を求められていますし、結果がついてこなかったので狙っていた」。柏が優勝を決めた11年12月3日の浦和戦(3-1)以来、J1通算2点目となるボレーシュートに胸を張った。

 ラストワンプレーとなった決勝点の場面でも、起点は茨田だった。柏ゴール前でボールを奪うと、前がかりになって中盤がぽっかりと空いた浦和陣内をドリブルで独走。PAのすぐ外まで迫ったが、茨田は「45分だけでしたけど足も結構きてたし、この気温で体力も消耗していた。シュートっていう選択肢もあったと思うんですけど、あそこまで運んで力がなくて、シュート打っても入らないなと思って」DFキム・チャンスへのパスを選択。キムのクロスを浦和DFが跳ね返したルーズボールを拾おうとした茨田が浦和の選手と交錯すると、ボールは決勝点を挙げたFW田中順也の元へと転がった。アシストこそつかなかったが、決勝点にも茨田が絡んでいた。

“Wレアンドロ”が不在の中、劣勢が予想された柏だったが見事に逆転勝利。茨田は「今日の試合で乗ったと思う」と手応えを口にする。ここまで9試合で5引き分けと勝ちきれない試合が続いていたが、浮上のけっかけになる“ターニングポイント”となるかもしれない。

(取材・文 奥山典幸)

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