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海自厚木マーカスの復権か、陸自習志野の初優勝か:全国自衛隊サッカー大会

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 全国の自衛隊基地・駐屯地で活動するサッカーチームの日本一決定戦「第48回全国自衛隊サッカー大会」は、27日に味の素フィールド西が丘で決勝戦と3位決定戦を行う。

 決勝戦は、最多16度の優勝を誇る海上自衛隊厚木基地マーカス(海自厚木マーカス)と、初優勝を狙う陸上自衛隊習志野駐屯地(陸自習志野)が対戦する。

「自衛隊最強」の呼び声高い海自厚木マーカスは、準々決勝で前回2位の海自厚木A.N.F.C.(通称:厚木なかよし)、準決勝で前回3位の海自下総を撃破。厳しいブロックを勝ち上がってきた。前回大会の優秀選手に選ばれている工藤隼人(士長・神奈川大出身)、FW須田浩章(3曹・神奈川大出身)が準決勝から戦列復帰を果たしているのは、チームにとって追い風となる。決勝戦に臨むのは、2年ぶり。前回大会は準決勝、3位決定戦ともにPK戦で敗れて4年ぶりに全国大会のシード権を逃す屈辱を味わっただけに、山崎裕貴監督は「マーカスにとっては、優勝じゃなければ意味がない。選手がやってくれると思う」と王座奪還に闘志を燃やした。

 一方、陸自習志野は初の決勝進出となった。準決勝では前回優勝の空自3補に逆転勝ち。堅守速攻がズバリと的中した。落下傘降下を行う第1空挺団に所属する選手が多く、走力や勝負強さ、忍耐力は大会に参加している各チームからも高く評価されている。訓練で鍛え抜かれた肉体は、決勝で対戦する海自厚木マーカスの山崎監督でさえ「着替えているのを見たら、すごい体をしていた。鍛え方が違う」と目を丸くするほどだ。カウンター攻撃に入ると、競り合いの際に相手を弾き飛ばすようなドリブルを見せる選手が数人おり、迫力は満点だ。主将の今岡和夫(3曹・大社高出身)は「陸自のサッカーは、愚直なまでに前進する。ただ、それだけ」と直線的な攻撃でゴールをこじ開ける姿勢を強調した。陸自勢の決勝進出は8年ぶり。陸自習志野が初優勝を飾れば、陸自としては19年ぶりの戴冠となる。

 3位決定戦は、前回優勝の空自3補と、前回3位の海自下総が対戦する。上位3チームは、次回大会で全国大会にシードされるため、消化試合の雰囲気はない。

 3位決定戦は午前10時、決勝戦は午後12時半にキックオフ予定。無料で一般観戦が可能となっている。

(取材・文 平野貴也=フリーライター)

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