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前回優勝の空自3補は3位、次回シードを獲得:全国自衛隊サッカー大会

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[4.27 全国自衛隊大会3位決定戦 空自3補 1-0 海自下総]

 全国の自衛隊基地・駐屯地で活動するサッカーチームの日本一決定戦「第48回全国自衛隊サッカー大会」は、27日に味の素フィールド西が丘で3位決定戦を行い、前回優勝の航空自衛隊入間基地第3補給処(空自3補)が1-0で海上自衛隊下総基地・館山基地(海自下総)に勝った。空自3補は、上位3チームに与えられる次回の全国大会シード権を獲得した。

 試合は、拮抗した立ち上がりから始まった。海自下総は、積極的にミドルシュートを飛ばし、前半13分には木村晋作(2士・新潟経営大出身)が工藤良太(士長・八戸大出身)とのワンツーで抜け出すチャンスを作り出した。一方の空自3補は、丁寧なパス回しで少しずつリズムをつかんでいったが、パスミスも多くペースを握り切れなかった。それでも前半30分を過ぎると、何度もシュートチャンスを作った。前半37分、ロングフィードに抜け出た熊谷哲平(2曹・大東文化大出身)がシュート。相手にはじかれてCKとなったが、今度は熊谷のセンタリングからDF新井元(3曹・川越南高出身)がヘディングシュート。立て続けにゴールを襲った。しかし、得点は生まれずに0-0で試合を折り返した。

 後半に入ると、早々に決定機が生まれた。後半6分、空自3補はスルーパスを受けたFW真木基希(士長・米子北高出身)がGKとの1対1を迎えるが、シュートはブロックされた。後半8分には海自下総にチャンス到来。工藤の落としから木村がシュートを放ったが、こちらもGKに防がれた。攻め合う展開から先制点が生まれたのは、後半9分だった。空自3補は中盤に下りてこぼれ球を拾った真木が左サイドへ展開。パスを受けた左MF七戸翔太郎(士長・関東一高出身)がドリブルで縦へ運ぶと、右前方への大きなサイドチェンジを繰り出した。このボールを受けた熊谷が後方へ軽く流し、走り込んだ来た右DF春本充(3曹・狭山清陵高出身)が先制ゴールをたたき込んだ。

 春本は「無我夢中で駆け上がった。自分がフリーだったので(ボールをよこせと)強く呼んだ。しっかりとミートしてゴールのサイドネットに決まって良かった」と決勝弾の手応えを話した。その後は、一進一退の攻防が続き、終盤には海自下総の猛攻を受ける場面もあったが「昨日の準決勝の敗戦は本当に悔しかった。今日は攻守に体を張って、何とかして自分の力でチームを勝たせたかった」と話したMF斎藤雄太(1士・平成国際大出身)の体を張ったカバーリングなどで窮地をしのぎ、1-0で逃げ切った。

 選手兼任でチームを引っ張った熊谷監督は「選手には気持ちを切り替えて臨めと言ったけど、自分が一番できていなかったかもしれない。でも選手がよく頑張ってくれた。この試合では、若手に全国大会の舞台を用意するのが責任だと思っていた」と安堵の表情を見せながらも、目指していた連覇への未練をほのめかした。次回のシード権獲得は、2度目の優勝を目指す戦いの始まりだ。得点を決めた春本は「連覇を逃した悔しい思いを来年につなげたい。優勝を取り返したい」と頂点への再挑戦を誓った。

[写真]空自3補が春本のゴールで勝利

(取材・文 平野貴也=フリーライター)

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