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[AFCフットサル選手権2014]ゼロ封発進のGK川原「アジアをぶっちぎりたい」

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[5.1 AFCフットサル選手権2014 GL第1戦 フットサル日本代表12-0フットサル韓国代表 ホーチミン]

 2002年から、フットサル日本代表のゴールマウスを守って来たCK川原永光は、快勝したとしても、チームを引き締める言葉を発することが多かった。しかし、12-0とフットサル韓国代表に大差をつけた一戦を終えた川原は、開口一番に「いいでしょ、このチーム」と、誇らしげだった。

 AFCフットサル選手権の初戦、日本代表は苦しめられることが多かった。しかし、この日は終始、相手を圧倒しての完勝。「良すぎて、逆に怖い。今までアジア選手権の初戦なんて、特に若い子が点を取れなかったり、新人が点を取れないっていうことがあって、日本の大会の入り方は超へたくそだった。それが相手は韓国という難しい相手だったのに、こうも点差が離れて、苦しい時間帯でも自分たちの形をつくって点が取れたのは大きかったですね」。

 川原が評価したのは、後半9分のFP皆本晃と後半11分のFP内村俊太が挙げたゴールだ。後半の立ち上がり、韓国代表はロングボールをシンプルに入れる戦い方に変更した。これで日本のプレスを回避し、何度かゴール前までボールを運んだ。少し押し込まれる時間帯が続くと、日本は守備のスタート位置を下げて、自陣で韓国の攻撃を受け止めるようになる。そして、ボールを奪ってからの速攻で2点を挙げた。

 どのように攻められても守りきることができ、逆に得点を挙げることができる。そんなチーム状態について、川原は「安定感があるなと感じられた」と話す。さらに、「相手からすると、誰を抑えればいいか絞れないですよね。仁部屋が良いとか、(中村)友亮が良いとか。誰か一人を潰せばいいというのが、ないから。前にキープできる選手が3枚いるし、ドリブルで仕掛けられる選手も多くいるし」と、攻撃的なタレントが揃ったチームに手応えを感じていた。

 その一方で、完封した守備面については、改善の余地があると指摘する。「(皆本) 晃は切り替えが早い。だから、すごく信用している。でも、晃が出ていない時間帯とか、誰かが出ていない時間帯っていうのは、絶対に出てくる。そのときに、切り替えの遅さが目立ったかな」と、反省を忘れない。

 そして最後に「みんなノっているからね。良い状態にあるし、これを切らさないようにして、アジアをぶっちぎりたいよね。連覇。連覇だよね、絶対」。数多くのタイトルをつかんできたベテランも、いまだ経験していない連覇への意欲をたぎらせている。

(取材・文 河合拓)

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