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[AFCフットサル選手権2014]日本vs韓国 試合後の選手コメント

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[5.1 AFCフットサル選手権2014 GL第1戦 フットサル日本代表12-0フットサル韓国代表 ホーチミン]

 AFCフットサル選手権は2日に大会2日目を迎え、連覇を目指すフットサル日本代表は、フットサル韓国代表と対戦した。日本は12-0で韓国を一蹴し、グループステージ突破に大きく前進した。試合後、選手たちに試合を振り返ってもらった。

 以下、選手コメント

●FP中村友亮(浜松)
―代表デビュー戦の日韓戦で、いきなりハットトリック。すごかったですね。
「そうですね。結果的にはよかったかなというのはありますね。僕自身、国際大会というか、こういう大会は初めてなので、そういう中で点を決められたので良かったです」
―緊張している様子がまったく感じられませんでした。
「そうですね。僕、あんまり緊張しないのですが、他の経験ある選手たちがすごく良い雰囲気をつくってくれていたので。すごい、前半途中からでしたが入りやすかったです。みんなも声を掛けてくれたし、やっぱり初めてっていうのもあって、出ているときも周りの人たちが気を使ってくれてサポートをつくってくれていたので、すごいやりやすかったですね」
―代表のやり方も合っていそうですね。
「そうですね。僕の1点目もそうですけど、ミニパラみたいに(ピヴォに)当ててから、大分ではあそこからあまりシュートを打たないのですが、やっぱり(星)翔太さんが打つことを信じて、前にちょっと出ていたら、良いこぼれ球が来たので。3点目もトモ(渡邉知晃)がターンしたので打つだろうなと思って、詰めていたら本当にどフリーで僕の前にボールがこぼれてきたので」
―あれは、ダイレクトで合わせたのではなかった?
「そうです。GKに当たって、こぼれた感じです。スペイン合宿からやってきましたが、選手の特長をつかむことを意識して練習からやってきましたが、それが良い形で点につながったと思います」
―今日のような活躍が続けば、得点王もありそうだが?
「僕自身、自分で体を入れてキープしてシュートっていうのはないので。本当に仲間を信じて、セグンド(ファーポスト前に詰める動き)だったり、こぼれ球だったりを狙っていきたいと思っています」
―特別にアジア選手権と意識せずに、スペイン遠征の延長というような心構えだった?
「そうですね。僕自身、初めてだということも緊張がなかった要因かもしれませんね。逆にがちがちにならずに、良い意味で遠征の延長という感じで入れました」
―圧倒的な強さを見せましたが、これだけハマったら、楽しいのでは?
「セットプレーで、まだまだ、もっともっと点を取れたと思うので。セットプレーも何本か良い形にハマってシュートまで行けていたので。そういうところでもうちょっとこっちが点を取れていれば。強い相手はそういうところで決めきらないといけないと思う。なかなか今日のような試合にはならないと思うので」
―大勝しましたが、油断はなさそうですね。
「やっぱり初戦って入り方は難しかったと思うので。そこだけはみんな注意してやっていました。次から、だんだん相手も強くなっていくと思うので。全然、今日は大量得点で勝てたからっていうのはありませんね」
―ウズベキスタン戦、キルギスタン戦が控えています。
「今日以上の試合をやらないと、勝てないと思うので。一試合、一試合、前の試合より良くなっていくようにやっていきたいです。スペイン遠征でも、そういう感じで、最後はインテルに0-3から追いついて3-3に追い付いたのは自信になりましたし、ああいう相手でもあきらめずにやれば、日本の力があれば追いつけるのは感じられたので。仲間を信じてやっていけば、良い結果が出るのかなと思います」
―中村選手はサッカーでもJ1の神戸、JFLのFC琉球などでプレーした経験がありますが、代表はまた違うものですか?
「そうですね。神戸に入った時から、代表のユニフォームは着たいとずっと思っていたので。それでフットサルに転向して、やっぱりFリーグの選抜とかで最初にブラジルとやらせてもらったときに、漠然とした目標だったのが、明確な目標に変わりました。それで本当に代表に入って、こういう大会で日の丸を付けてやりたいと思って、それで今回、こうして日の丸を付けてやれたので。自分にとってはフットサルに転向して良かったかなと思います」
―2020年のW杯日本開催が決まったら、そういう選手も増えそうですね。
「そうですね。それに、僕の場合は体もすごく小さいので。やっぱり日本でも、今サッカー、フットサルをやっている小さい選手もいると思うのですが、そういう選手にも『小さいから』といって、諦めてほしくないので。こういう舞台で、点も取れたので、そういうところをどんどん見せて行きたいです」
―その小柄さが特に守備面では気になっていたのですが、スピードで抑えていましたね。
「やっぱり背負われて、引っ付いたらきついですけど、そうすると自分に不利なのはわかっているので、離れて、ボールをコントロールしたところで勝負したいっていうのがあります。体が小さかったら、そういうところを、自分のストロングポイントを考えてやれば、全然いけるのかなと思います」
―その感覚はFリーグで見出していたのですか?
「最初に(大分に)入った時に、(館山)マリオさんが監督で、ずっと『張り付くな』と言われていたんです。『ターンされてもスピードがあるから、そこで取りに行けば大丈夫だから、引っ付くな』ってすごい言われていました。そういう意味ではマリオ監督が最初の監督で、僕にとってはすごく良かったと思います。いろんなことを細かいところまで、DFのことも、オフェンスのことも教えてくれたので。本当にいろんなアイディアというか、細かいところまで。僕は知識がゼロでフットサルを始めたので、そういうところまで教えてくれたのが、すごいプラスになりましたね」
―そういう理論があると、技術的なミスが少ない強豪との国際試合では先を読んだプレーがやりやすそうですね。
「僕の場合は本当にボールが動いているときに、どれだけ寄せられるかが勝負だと思っているので。そこで寄せれていれば、運ばれても、次でアタックできる。距離をとれば、結構、スピードに乗られて、体を使われてっていうのがあるので。僕は極力ボールが動いているときにどれだけ体を寄せられるかで勝負しています」
―今後も今日のような活躍を続け、代表に定着してください。
「今日も前半はちょっと出番が少なかったので、もうちょっとセットに入って出られるように、頑張ってやりたいと思います。あんまり似たタイプもいないのかなと思うので」
―元日本代表FP金山友紀選手とイメージが重なる場面もありました。
「そうですね。結構、僕もやっぱり見るんですよね。試合をしていたら注意して見る感じです」
―大量リードの中で挙げた3点目は、本当にそんな感じでした。
「ファーに詰めるっていうのは、そこが本当に勝負なので、そこだけは本当にサボらないでやっていきたいです。また頑張ります」

●FP仁部屋和弘(大分)
―今日の試合の感想は?
「まぁ、ボチボチですね。良い準備ができていたので」
―スペイン遠征のインテル戦でも、すごかったらしいですね。自信になったのでは?
「スペイン遠征がすごく楽しかったので。世界のトップクラスでも行けるなっていうのが、自分でもすごく感じました。それで自分の中では楽しかったですね」
―仁部屋選手の基準は、楽しいかどうかですね(笑)。その良いリズムで、この大会に入れた?
「そうですね。あと名古屋と大分で良い準備ができたので、そのまま楽しみながらやれています。もっともっと上を目指して頑張っていきたいと思います」
―今日は先制点がチームを楽にしたと思います。セットプレーから星選手、皆本選手とつながったゴールを振り返ってください。
「いつも練習しているセットプレーなので。それで最初の点が取れたので良かったと思いますが、今からだと思うので」
―自身が今日の試合を終えて感じた反省は?
「いや、特に。準備がバッチリできていたので、試合でガツガツしすぎないというか、力を抜いてできればという感じだったので。別に、ボチボチだなっていう感じです」
―後半というより、立ち上がり意外はドリブルを控えて、かなりチームでバランスをとっていましたね?
「そうですね。そんなにガンガンと前から行く必要もなかったですし。まぁ…なんですかね。うまくやれたのかなって」
―いつも話がネガティブな方向に行くのに、今日は前向きな話なので、相当良い感触があるんだなとは伝わります。
「そうっすね(笑)。でも、まだ初戦だし、まだまだ試合があるので。ここで使うことはしたくなかったので、これからですね」
―やっぱりわざとドリブルはしなかった?
「そうですね。体力を使わないようにっていうのもありました」
―どのあたりから仕掛けて行くイメージですか?
「自分がこのチームを勝たせるっていう強い気持ちを持っているので。そういう意味では、毎試合ドリブルからシュートっていうことは考えていますけど」
―2年前ともまた違う、良い大会のスタートを切りましたね。
「メンバーも変わりましたが、楽しいですし」
―やっぱり楽しいが基準ですね(笑)。
「そうですね(笑)。またベトナムがね…暑いですね。そんな感じなので、ボチボチと書いておいてください(笑)」

●FP小曽戸允哉(大分)
―初戦を終えて?
「初戦はいつも難しいので。そういう試合でゼロに抑えて入れたのは、すごく良い入りができたと思います。これを良いスタートにして、次につなげていきたいと思います」
―ハットトリックを達成し、忍者みたいなゴールもありましたが?
「そうですね(笑)。相手が油断していたので、『いけるかな?』と思ったらいけたので。運が良かったかなと思います」
―個人的にも大会に良い入りができたのでは?
「そうですね。点が取れたというのはチームに貢献できたかなと思うので、この調子で頑張っていきたいです」
―2年前の前回から若返りました。どんな変化を感じていますか?
「2年前は、ベテランというか、経験のある選手が多かったので、大事な試合の入り方はうまかったかなと思います。今のチームは勢いっていうのがあると思うので。今日みたいな試合で勢いにのれば、なかなか止められる相手はいないと思いますし、そういう試合ができるように心がけていきたいです」
―『勢い』ということですが、相手の出方に応じた戦い方もできているのでは?
「ミゲル監督になってからも若い選手がインドアゲームズとかでミゲルのやり方を分かっているので。DFに関しては前から行くことも、ハーフから行くこともできますし、ポゼッションにしても、クワトロができれば、ピヴォを置いてやることもできるので。そういったバリエーションは増えていると思います」
―クラブでキャプテンをしていますが、代表ではどうチームを盛り上げている?
「同じですよ。チームでやっていることと代表でやっていることは変わらないです。プレーは求められるものがちょっと違いますが、基本的には変わりませんね」
―今後に向けて?
「自分たちの目標は、大会連覇なので。それに向けて精一杯自分にできることをやっていきたいと思います」

●GK川原永光(浜松)
―こんなに良いスタートを切ったアジア選手権は、記憶にありません。
「いいでしょ、このチーム」
―攻撃的な選手をそろえながら、守備も失点ゼロでした。
「オレもその中でベテランの味を出していかないとね。でも、出す前からやられちゃったけど(※注:開始早々のプレーで相手と接触。唇の中が切れて腫れ上がっていた)。ぱっかり中が切れていて、超痛い」
―でも、このスタートは痛みを忘れさせるくらい良いんじゃないですか?
「いやぁ、良すぎて逆に怖いっていうのはありますね。今までアジア選手権の初戦なんて、特に若い子が点を取れなかったり、新人が点を取れないっていうことがあって、日本の大会の入り方は超へたくそだった。それが相手は韓国という難しい相手だったのに、こうも点差が離れて、苦しい時間帯でも自分たちの形をつくって点が取れたのは大きかったですね」
―後半の頭に皆本選手と内村選手が決めた場面ですね。
「そうそうそう。あれが一番、チームに安定感があるなと感じられたかな」
―あそこは、ちょっと押し込まれて、直前にプレスの位置を変えましたよね?
「相手がロングボールを増やしてきてからですね」
―それを自陣で受けて、ちょっと距離があるカウンターに切り替えたんですね。
「それがうまく連動できた。ただ、強いて課題を挙げるなら、切り替えの遅さ。レフェリーに文句を言う前に、次のポジションに付くとか。単純なところの切り替えを早くしないと、それで怖い場面は何回かあったから」
―危ない場面といえば、右ポストに当たった一度くらいだった気がしましたけど。
「シュートを打たれたっていうところではね。でも、若い選手たちがすごく良くやっていたから、褒めてあげてください」
―浜松でチームメイトになる中村選手は、いきなりハットトリックでしたね。
「あんな取っちゃうとは思わなかったね。楽しい浜松になるでしょ?」
―楽しみです。
「それにしても、やばいでしょ。この暑さ」
―暑いですね。
「今までで一番暑いくらい。湿気がすごいよね。でも、ホテルはガンガンに寒いの。だから、ピッチも寒いかなと思ったけど、こんなだから。日本が大会初日に初戦をやるのなんて、これまでなかったから、こういうものなのかなって」
―昨年のケガは大丈夫?
「だいぶいいですよ。スペインでも調整もしているし、気持ちも含めて落ちないようにずっとキープできています。名古屋合宿はすごくきつかった。その疲れがみんな残っていると思う。ただ、今は試合だけになったし、すごくリフレッシュできて、だんだんここからノっていけたらいいですよね。疲れていても、これだけやれているんだから。しかも、今日は全員使ったからね」
―森岡選手も最後にシュートを決めて、良い感触を得たでしょうね。
「ああいうのがね。チームがノっているのは感じますよね。雰囲気がすごく良い。相手からすると、誰を抑えればいいか絞れないですよね。仁部屋が良いとか、友亮が良いとか。誰か一人を潰せばいいというのが、ないから」
―確かにそうですね。イランとかを相手にしても、攻めの姿勢を貫けそうですね。
「前にキープできる選手が3枚いるし、ドリブルで仕掛けられる選手も多くいるし。ただ、ビルドアップで連係がまだ足りていないところがあるけどね」
―守備面では皆本選手の切り替えの早さが、かなり助けていたように感じます。
「晃は切り替えが早い。だから、すごく信用している。でも、晃が出ていない時間帯とか、誰かが出ていない時間帯っていうのは、絶対に出てくる。そのときに、切り替えの遅さが目立ったかな」
―そこを修正して、チームの力を高めていく?
「みんなノっているからね。良い状態にあるし、これを切らさないようにして、アジアをぶっちぎりたいよね。連覇。連覇だよね、絶対」

●FP皆本晃(府中)
―初めてのアジア選手権は、どんな気持ちで臨んでいますか?
「アジア選手権は日本代表にとってすごく大事な大会なので。新しく代表に入りましたが、これまでもいろんな先輩がずっと戦いを繰り広げてきてくれたところですし、前回は優勝しているので、今回もそれに続いて優勝しないといけないという責任感を持ってやっています」
―起用のされ方を見ていても、監督からの信頼も厚そうですね。
「それに関してはミゲルの判断ですね。今日はスタートから使ってもらえて、初戦の最初はすごく難しいですし、そこに使ってもらったのは信頼されているとは思えましたね」
―切り替えの早さがずば抜けていましたね。
「いえいえ、やっているのはそういうポジションなんで(笑)。府中ではもう少し攻撃的なことをやっていますが、このチームでは一番後ろでコントロールをしながらっていうポジションなので。自分が一番最初に戻るっていうのと、周りを落ち着かせながら、良い攻撃を組み立てるのが役割としてあるので、そこはいちばん意識しているところです」
―最前線まで飛び出しての得点は、かなり嬉しかったのでは?
「そうですね。今日は、みんな点を取っていたので、1点くらい取りたいなと思っていました。このチームだとDFの仕事の方が多いんですけど、攻撃でも取れるときには点を取っておきたいなと思っていたので良かったです」
―良い大会のスタートが切れましたね?
「若い選手が多いですし、僕自身もそうですが若くないけど初めてのアジア選手権という選手も多かったので。その中で初戦だったので、難しいゲームになるんじゃないかなというのがあったのですが、最初に点を取れて、その後もポンポンポンとゴールができたので、内容的にも良いゲームができたと思います」
―なかなか12得点っていうのは、ありません。
「そうですよね。今、他の国も力を付けている中で、こういうゲームができたっていうのは、このチームの可能性を見せられたんじゃないかなと思います。ただ、修正点はまだまだあるので。これから最後まで、もっともっと良いチームにしていきたいと思います」

●FP稲葉洸太郎(浦安)
―出場停止だったが、刺激になったのでは?
「良いスタートを切りましたよね。みんな点も取ったし」
―中村選手もデビュー戦でハットトリックですよね。
「あの飛び込みはやっぱいいっすね。こぼれ球の反応も早いし、守備も寄せが早い。すごく良い感じですよ」
―何か稲葉選手にとってのアジア選手権は、04年マカオ大会、05年ベトナム大会もそうでしたが、どこかで出られない試合がありますね。
「(04年の)マカオは普通にベンチ外で、(05年の)ベトナムは予選グループでケガをして、出られなかったですね。まぁまぁまぁ」
―こういう試合をやってくれると、第2戦から入りやすい?
「そうですね。でも、多分、まったく相手が違うから、同じ感じでいくと危ないと思います」
―韓国は、もうちょっと強いかなと思っていたのですが。
「前のスタイルから、あまり変わっていなかったですね」
―割と簡単に放り込んでくれる。
「うん。もうちょいなんかやってくるかなと思ったんですけどね。結局、投げるのと下げて蹴るのと」
―うまくプレスを掛けて下げさせて、蹴らせて回収からゴールということができていましたね。
「そうですね。だから、まぁ、次からの試合はまったく別物と考えた方がいいですね。あんまりノセない感じでいきます。『もう次、次、次』って」
―監督も試合後、すぐに引き締めたそうですね。
「うん。僕もその方がいいと思います。点差はつきましたけど、ミスがなかったわけではないですし、ちょっとしたミスはあった。そういうのがウズベキスタン戦では失点になるかもしれないので、ここからがスタートと切り替えた方がいい」
―稲葉選手自身、まさに次からがスタートです。
「僕は、そうですけどね。まぁ、頑張りますよ。楽しみですね。勢いはありますし。出たかったなぁ」
―こんなに良いスタートないですよね。
「うん。なかなかない。いつも苦戦するからね。でも、ここからなんで、頑張りましょう」

(取材・文 河合拓)

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