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[AFCフットサル選手権2014]先制点を挙げるも、直後に追い付かれ…FP西谷「防げた失点」

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[5.3 AFCフットサル選手権2014 GL第2戦 日本代表1-2ウズベキスタン代表 ホーチミン]

 12-0と大勝した初戦の勢いそのままに、一気に勝ち点を6に伸ばしたい日本代表だったが、1-1で迎えた残り7秒で相手にゴールを許し、1-2で敗戦。この結果、グループリーグの最終戦でキルギスタンに勝たなければ、史上初のグループリーグ敗退が決まることとなった。

 試合の入り方は悪くなかった。自陣にべた引きするウズベキスタンに対し、ボールを支配してフィニッシュも多く放った。しかし、GKウマロフの好セーブに阻まれて、ゴールが遠い。それでも前半9分には、FP皆本晃のキックインから、「良いボールが来たので合わせるだけでした。強いシュートというより、しっかり枠に飛ばそうと意識しました」と振り返るFP西谷良介がゴールを決め、日本は先制する。

 ここまでは、日本の思惑通りに試合が進んだ。問題は、その直後のことだ。日本は底辺でボールを持ったFP仁部屋和弘がドリブルで突破を仕掛ける。西谷らは、前方へ駆け上がり、仁部屋のドリブルするスペースをつくろうとしたが、ハーフウェーライン付近でドリブルが相手に引っ掛かってしまう。そのままカウンターから同点ゴールを許してしまった。

 仁部屋のドリブルは日本の大きな武器であり、ミゲル・ロドリゴ監督も背番号10がボールを持ったときには、他の選手たちにスペースを空けるように指示を出している。スペイン遠征でも強豪クラブを相手に、この戦い方は通用し、それにより選手たちは自信を深めていたようだ。

 ウズベキスタン戦で同点ゴールを許すきっかけになったが、このやり方を継続するべきか、変えるべきなのか。同じセットでピッチに立っていた西谷は「難しいところだと思うんですよね。紙一重だと思うんですよ。結果論では、落ち着くべきでしたけど。あれは実際に仁部屋の良さだと思うので、取られたことに関してはいいとは言えませんが、あそこで勇気を持って仕掛けて数的優位をつくってシュートまで行けたら、もっと良い形ができていたと思いますけど。良いか、悪いかでいうと、失点したのでね」と言い、「でも」と付け足す。

「守り方で少しカバーを付けるとか、ボールに誰かが行くとか、それができれば防げた失点かなと思います」

 GK川原永光も、ボールを取られた際のバランスの悪さを指摘した。「状況判断の問題だよね。あのやり方がOKでやるんだったら、誰か1枚カバーリングを残すべき。『調子が良いから』とやらせていたら、1失点目みたいにやられるときがあるから。他の3人が逆サイドに寄って、そのうちの一人が仁部屋より低い位置でカバーに入れる状況なら(仕掛けても)いいと思うんだけどね。みんな3人が前に行ってしまうと、ちょっと怖いなっていうのはある。スペイン遠征では機能していたし、自信にもなったと思うけど、もう一回確認が必要だね」

 この日、日本は徹底して最後のプレーまでは、ウズベキスタンのロングボールを封じていた。同じように他国も、仁部屋のドリブルは警戒している。自分たちの長所を、どう生かすのか見つめ直すには良い機会かもしれない。「しっかり受けに回らずに、自分たちのフットサルができるように、ピッチで表現していきたいと思います」と、西谷はキルギス戦へ気持ちを切り替えた。もう、サプライズはいらない。

(取材・文 河合拓)

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