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国立ラストマッチはドロー決着、首位浦和は甲府ゴールをこじ開けられず

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[5.6 J1第12節 甲府0-0浦和 国立]

 J1は6日、第12節を各地で行い、改修前の国立競技場で行われるJリーグラストマッチでは、2連敗中で13位のヴァンフォーレ甲府と前節4年ぶりに首位に立った浦和レッズが激突した。前半をスコアレスで折り返した試合は、後半に入っても一進一退の攻防が続く。攻める浦和、守る甲府という構図の時間帯が続く中、浦和の攻撃を甲府がしのぎ切り、国立ラストマッチはスコアレスドローに終わった。

 現在2戦連続完封負けを喫している甲府は前節から先発を4人入れ替えて、MF福田健介、MFマルキーニョス・パラナ、FWジウシーニョ、FW盛田剛平をスタメンに起用。対する浦和は負傷から復帰したDF槙野智章を4試合ぶり、MF関口訓充を今季初となる先発に起用して、この一戦に臨んだ。

 試合前にはJリーグ初代チェアマンである川淵三郎氏(現サッカー協会最高顧問)のあいさつなど、さまざまなセレモニーが行われ、国立ラストマッチに花が添えられた。

 国立最後の舞台で勝利を収めたい試合で、最初に決定機を作ったのはホーム扱いの甲府だった。前半7分、中盤でボールを受けたFWクリスティアーノが右サイドのFWジウシーニョに展開。サイドを突破したジウシーニョのグラウンダーのクロスをクリスティアーノが右足で捉えるがシュートはゴール右へと外れた。

 だが、その後は浦和がボールポゼッションを高めていく。前半9分にMF柏木陽介のFKからMF梅崎司がチーム初シュートを放つと、同13分には関口の折り返しからDF森脇良太、同19分には中盤で甲府からボールを奪うと最後はFW原口元気がゴールを脅かすが、ネットを揺らすには至らない。前半36分にはオーバーラップしたDF那須大亮のスルーパスから原口が狙いすましたシュートを放つも、惜しくも枠を外した。

 確かに浦和がボールを保持する時間が長かったが、甲府は集中力の高い守備で簡単には決定機を作らせていない。浦和の1トップ+2シャドーは3CBが監視下に置いて自由を奪い、両アウトサイドのMF阿部翔平とMF福田健介も最終ラインまで戻り、相手アウトサイドにスペースを与えず。しかし、守備は十分に機能していたが、ボール奪取後のプレー精度を欠いて簡単に浦和に攻撃権を渡してしまうなど、カウンターを発動する場面はほとんどなかった。

 前半をスコアレスで折り返して迎えた後半に入っても、試合の流れは変わらない。浦和がボールを回して甲府ゴールをこじ開けようとし、「ポゼッションは相手が上回っていい。だが絶対に勝つ」とハーフタイムに城福浩監督が指示を出した甲府が粘り強い守備でゴールを守る。徐々に試合がこう着してくる中、浦和は後半19分にMF関根貴大、同28分にはMF鈴木啓太を投入、甲府は同34分にFW石原克哉、MF稲垣祥を同時投入して、状況を打開しようと試みる。

 終盤に入ると攻勢を強める浦和がさらに甲府を押し込む時間帯が続き、後半アディショナルタイムにはDF山本英臣がこの試合2枚目の警告を受けて退場。数的優位に立った浦和は最後までゴールを狙ったが、甲府の守備を崩し切れず0-0のまま試合終了のホイッスルが吹かれた。浦和の連勝は2で止まり、甲府の連敗は2でストップしている。

(取材・文 折戸岳彦)

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