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メンバー発表を前に冷静な柏DF鈴木「代表を意識するレベルまできていない」

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[5.10 J1第13節 柏1-0新潟 柏]

「古巣なので気持ちは入っていた。自分がやってやろうという気持ちが強かった」と振り返った一戦で、柏レイソルのDF鈴木大輔は、見事に決勝点を挙げた。後半28分、FW田中順也の直接FKがゴールポストを叩くと、こぼれ球を胸トラップし、最後は右足で押し込んだ。新潟のGK守田達弥に当たってネット揺らすラッキーなゴールだったが、FW川又堅碁は「ああいうところにいるのは、気持ちが強い」と、同期入団の元チームメイトを讃えた。

 しかし鈴木自身は、昨年の第17節・清水戦(2-2)以来約10か月ぶりのゴールも「守備の選手としてはゼロに抑えられたのが嬉しい」と、2試合ぶりの完封に手応えを感じていた。前半は新潟のエースである川又にDFラインの背後を取られ、決定機を含む3本のシュートを許したが、後半は1本も打たせなかった。「(柏の)ボランチを押し出してボランチに付けることを後半は徹底した」。パスの出どころとなっていたMFレオ・シルバとMF小林裕紀を自由にさせるなというネルシーニョ監督の作戦が功を奏し、慌ただしく守っていた前半から一転、後半は最終ラインに余裕が感じられた。「今日はナベ(渡部博文)と大輔がすごい頑張ったので、何もすることなかったです(笑)」と3バックの中央で守備を統率するDF近藤直也は、渡部と鈴木を誉め称えた。

 明後日には日本中が注目しているブラジルW杯の日本代表23人が発表される。4月の日本代表候補合宿に選出された鈴木もメンバー入りが期待されているが、周囲の喧噪をよそに本人は客観的に自己分析をしているようだ。「いろいろな方から言われて意識は多少ありますけど、自分のいまの状況は非常に厳しいと思う。代表を意識するレベルまでまだきていない」。

 メンバー発表記者会見が予定されている12日をどう過ごすのか、取材陣に問われると、「いつも通り過ごしていると思う」と淡々と答えた鈴木。12年ロンドン五輪で日本の4試合連続無失点に貢献した男は、再び世界の舞台に立つチャンスを得ることができるのか。運命の発表は、12日14時だ。

(取材・文 奥山典幸)

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