[5.10 AFCフットサル選手権2014決勝 日本代表2-2(PK3-0)イラン代表 ホーチミン]

　大会2連覇を賭けたイラン代表との決勝戦。FP森岡薫は先発出場したが、後半の中盤以降、ピッチに立つことはなかった。試合前、痛み止めの注射を打って決勝に臨んでいたが、途中から痛みが出て来たという。「後半に入ってすぐだね。アイツらの切り返しに一生懸命ついていこうとしたんだけど、ヒザが付いていけなかったね」。

　絶対的エースを欠きながらも、日本代表は2度のビハインドを追い付き、同点のままPK戦を制した。チームとして優勝できたことはうれしいが、個人としては満足できる大会ではなかったと森岡は言う。

「自分が万全だったら、もっとチームをラクに勝たせられたんじゃないかって。これがW杯だったら、まだ上には上がいるし。でも、アジア選手権では日本が一番上になる実力がある。そこに自分が万全な状態でいられれば、もっとチームがラクできたんじゃないかなって。PKまで行かなかったんじゃないかって。いろいろ考えますね」

　ミゲル・ロドリゴ監督に「2年後(次のアジア選手権)は、万全の状態にしておくから」と伝えると、指揮官は「タイ戦がすべてだった」と返したという。タイ戦は、森岡が決勝点を挙げた試合であり『今大会の優勝にも、おまえは貢献した』というメッセージだ。

「今回の悔しさはモチベーションになったし、早くけがを治して、本当にもっと成長したいと思います」。チームメイトたちと歓喜に沸きながらも、森岡は一足先に2年後に向けて気持ちを切り替えた。

(取材・文　河合拓)