beacon

[MOM1028]佐野日大FW櫻田亮太(3年)_183cmの技巧派FWが華麗なループ弾

このエントリーをはてなブックマークに追加

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[5.10 関東大会栃木県予選準決勝 佐野日大高 5-0 足利工大附 壬生町総合公園陸上競技場]

 出場時間は前半の40分間だけだったが、それでもインパクトを残した。佐野日大高の183cmFW櫻田亮太(3年)は、大宮ジュニアユース(埼玉)時代に交代出場ながらも全日本ユース(U-15)選手権8強を経験している技巧派ストライカー。現在、公式戦で毎試合のようにゴールを決めているというエースが、この日も華麗な一撃で会場を沸かせた。

 1-0の前半26分、素早い動き出しでMF宇津木峻(3年)からのパスを引き出した櫻田は「GKが出てきたのがちょっと見えたので、頭上を越したら入ると思った。ファーストタッチから狙っていました」と右足でのコントロールから間髪入れずに左足ループシュートを放つ。PAにわずかに入った位置から、DFの寄せよりも一瞬早く打った柔らかいシュートは、鮮やかな弧を描いて逆サイドのゴールネットへ吸い込まれた。斉藤芳幸監督が「あれは彼の十八番。結構ループシュートを決めているんですよ」と説明する得意の形で決めた櫻田は、得点前に放った決定的なヘディングシュートを外したことを非常に悔しがっていたが、それでも長身を活かしたヘッドやボールキープ、周囲を活かす動きなどで勝利に貢献した。

 佐野日大では昨年からレギュラー。大型で技術も発揮している櫻田だが、大宮ではユースチームに昇格することができなかった。「怪我があったし、課題の決定力がまだ全然ダメだったので。それをしっかりと高校で身に着けようとしている。(現在も)自分がもっと決めていればという試合がある。守備が守ってくれているので、自分が毎試合1点以上取ればチームは絶対に上に行ける」。中学時代からの課題となっている決定力向上。技ありシュートを決める一方で、豪快なシュートを決めるようなシーンは少なく「それも課題」とどんな形からでもゴールを奪うFWになることを目指している。

 憧れの存在は「周りも上手く使えて、自分でもなおかつ点が取れる。どこからもゴールを狙っている姿勢も、素晴らしいストライカーだと思います」というイングランド代表FWウェイン・ルーニー。相手が強い方が燃えるという櫻田は1月の“裏選手権”で静岡の名門・静岡学園高からゴールを奪うなど結果を残し、「今、みんなも(ボールを持った際に)自分を見てくれている」と信頼を掴んでいる。「インターハイと選手権は絶対に全国出て自分の名を知られるように頑張っていきたいです」という目標を叶えるためにも各試合でゴールを奪い続ける。

[写真]前半26分、佐野日大FW櫻田が左足でループシュートを決める

(取材・文 吉田太郎)

TOP