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初のW杯へ臨むマンU香川「4年間積み重ねたものを出す」

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 日本代表の背番号10は並々ならぬ決意を示した。4年前の南アフリカW杯ではサポートメンバーとして同行したが、本大会での出場はなく悔しさを味わった。そして前日、最終節を迎えたマンチェスター・ユナイテッドでの2シーズン目をノーゴールで終えた。4年前に悔しさを味わい、今季は不本意なシーズンを過ごしたからこそ、香川真司は「小さい頃から夢見てきたW杯に出場できるので精いっぱい楽しみたい。ただ4年前の悔しさも感じているので、楽しむだけでなく結果にもこだわり、4年間積み重ねたものをピッチで出したい」と初のW杯出場への意気込みを力強く語った。

 メンバー発表は飛行機の中で聞いた。「配慮をしてもらって、機長から直接教えていただきました。聞いた瞬間はホッとしましたが、今はメンバーに入るのが目標ではないので、初戦のコートジボワール戦に向けて頭がいっぱいだし、集中していきたい」と中心選手としての自負をのぞかせている。

 4年前の南アフリカW杯後にドイツへ戦いの場を移した。ドルトムントで2年連続優勝を果たし、12年に移籍したマンチェスター・Uでも移籍初年度に優勝を経験。しかし、今季は出場機会が限られて18試合出場ノーゴール、チームも7位に終わった。

「南アフリカで悔しい思いをして、ヨーロッパに行って自分を高めてきましたが、今年は監督も変わってすごく難しいシーズンでした。ただ良いシーズンがあれば悪いシーズンもあるし、それをトップレベルの戦いで経験できたのは良かったと思う」と今季を前向きに捉えた。しかし一方で、「気持ちが折れそうになることもあった」と口にした。

「試合に出れない時期もあったけど、何ができていないのかを考えて忍耐強く戦い続けました。その分、最後の方は試合に出れて手応えを感じた部分もあります。ただ、サッカー選手として結果を残せなかったのは自分としても悔しいシーズンだった」

 その悔しさを晴らす舞台は1カ月後に控えている。「すごく厳しい1年だったから、W杯で結果を残していくしかない。シーズンはもう終わったことだし、こういう年もあるんだとポジティブに捉えたい。メンバーに入れなかった選手もいるので心が痛い部分もありますが、選ばれたメンバーとして責任を持ってやっていきます」。4年前の悔しさ、そして1年間苦しんだ借りは世界最高の舞台で返すと誓った。

(取材・文 折戸岳彦)

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