beacon

衝撃の一撃、決勝点の浦和MF関根「スタメンを勝ち取りたい」

このエントリーをはてなブックマークに追加

[5.17 J1第14節 浦和1-0C大阪 埼スタ]

 地鳴りのような歓声が鳴り響いた。自陣へ引いたC大阪の堅守を崩し切れずにスコアレスで試合は進んだが、こう着状態を破ったのが浦和レッズのルーキーMF関根貴大だった。後半25分に投入された7分後、右サイドでボールを受けた関根はMF柏木陽介にボールを預けると、全速力でPA内へと侵入する。柏木からのリターンパスを右足でトラップすると、その勢いのまま左足でシュートを放ち自身プロ初ゴールとなる決勝点を叩き込んだ。

「良いボールが来ましたし、トラップからシュートまで良い流れで打てました。あまり強いシュートではなかったので入らないかなと思ったけど、うまい形で入ってくれた。練習でもあんなシュートは決めたことがないし、それを試合で決められて本当に嬉しかったです」

 喜びを爆発させたが、ゴール直後には戸惑いも感じたようだ。「決めた瞬間にサポーターの方に行きましたが、どうしていいのか分からなくて一度チームメイトの方に戻りました」と笑いながら答えたが、「サポーターの声援もメチャクチャ気持ち良かったし、皆に抱き付かれてもみくちゃにされましたけど皆が喜んでくれたので本当にうれしかった」とプロ初ゴールを振り返った。

 5万4350人が詰め掛けた埼玉スタジアムには家族も来ており、「試合後に連絡が来ていて、母親が感動して泣いてくれたらしいです。今日は姉貴も来ていたのですが、姉貴が来た試合はまだ負けていないので良かったなと思います。勝利の女神ですね」と自身だけでなく、家族の思い出となるゴールになったことを話した。

 プロ初ゴールが決勝点となり、チームを勝利に導いたが反省も口にしている。「最初のプレーでパスに反応できなかったし、今日は試合の入りが悪かったです。守備に回ったときも、1対1の対応とか自分の前の選手を動かせていないので得点以外は課題が残った試合でした」。

 しかし、「中学からずっと所属しているクラブなので特別な思いがある」と語る浦和でさらなる飛躍を誓う。「このチームでスタメンを勝ち取りたいし、その中でもっと結果を残していきたい。今はチャンスが巡って来たときにしっかりとチャンスを生かせるように、良い準備をしていきます」。19歳を迎えたばかりの若武者の物語は、まだ始まったばかりだ。

(取材・文 折戸岳彦)

▼関連リンク
[J1]第14節 スコア速報

TOP