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[2014 Rookie League]1年生も“らしさ”発揮、流経大柏が清水桜が丘との攻防戦制す!

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[5.17 2014 Rookie League Aグループ第1節 清水桜が丘高 0-1 流通経済大柏高 裾野G]

 関東、静岡の強豪18校の1年生たちが優勝を争うU-16大会、「2014 Rookie League」が17日、静岡県裾野市の時之栖スポーツセンターで本格的に開幕。流通経済大柏高(千葉)と清水桜が丘高(静岡)との名門校対決は流経大柏が1-0で勝った。

 「高校年代最強」の流経大柏の1年生が先輩たちのエールも力に初戦を勝利した。流経大柏は先週、高卒ルーキーながらアルビレックス新潟で活躍するMF小泉慶と152cmの逸材FW森永卓(現流通経済大)という昨年の高円宮杯プレミアリーグチャンピオンシップ優勝メンバーが来校。そこで小泉は「走る練習を嫌がっちゃダメだ」というメッセージを後輩たちに送ったという。

 近年、流経大柏は中学時代にエース級だった選手たちが正確な1タッチパスなど高い技術を示し、加えて勝利への意欲、豊富な運動量でも違いを示してきた。そして昨年は高校年代最高峰のリーグ戦、プレミアリーグで初優勝。この日は、走ることや戦う姿勢の重要性を先輩から学んだ1年生が、指揮を執った榎本雅大コーチも「ひとつしかないボールをどのように奪って、どう正確につなぐかというところは日ごろから(監督の)本田先生が言われていること。(もうひと手間加えて)フィニッシュのシーンをもっとつくっていかないといけないけれど、きょうは初めてにしては良くボールを動かせたと思います。意欲、気持ちの部分も良かった」と納得した“流経柏らしい”ゲームを見せた。
 
 全国高校選手権優勝3回など輝かしい実績を持つ清水商高の伝統を受け継ぐ清水桜が丘と流経大柏の一戦は序盤から球際の激しい攻防戦となった。その中でボールを正確につなぐ流経大柏が多くの時間帯でボールを握って攻める展開に。流経大柏は最終ラインにまで降りてボールを受けながら、落ち着いたゲームメークをする10番MF本田憲弥や右サイドで正確なボールコントロールとパスを見せるSB河内渉真を軸にワンツーやスルーパスで清水桜が丘DF陣攻略を目指した。

 前半26分には右中間を駆け上がった河内のスルーパスに反応したFW古谷三国がラストパスを入れ、34分、36分にはミドルレンジから本田がシュートを狙う。そして38分には本田のスルーパスから古谷が決定的なシュート。ただがゴール至近距離から放った一撃はGK川窪蓮に阻まれ、こぼれ球をFW中嶋成が狙うが、これも止められてしまう。

 一方、押し込まれる時間帯の長かった清水桜が丘だが、非常によく声の出ていたCB山中飛比貴中心に守りが堅く、カウンターからチャンスをつくり出してくる。前半16分には敵陣でインターセプトしたMF河合諒也が左足シュートを放ち、45分にもインターセプトからのスルーパスで抜け出したFW阿部弘輝がシュートへ持ち込んだ。後半には相手の逆を取るセンスが光るMF上杉匠を起点としたサイド攻撃から先制点を狙っていった。

 流経大柏は前半に比べると、清水桜が丘に押し返される展開となった。それでも後半開始から大きくメンバーを入れ替えていた流経大柏がスコアを動かす。20分、左SBへポジションを移していた河内のスルーパスで左オープンスペースを突いたFW松井玄太の折り返しを、交代出場のMF澤畑竣介がコントロールから振り向きざまの右足シュートでゴールへねじ込んだ。

 この後、再び右サイドへポジションを移した河内の右アーリークロスからMF高橋海翔が決定的なヘディングシュートを放ち、市川侑麻のラストパスから松井がクロスバー直撃の右足シュートを打ち込んだが、ボールへの強い執着心や迫力のあるサイド攻撃などこちらも伝統の力を見せる清水桜が丘を突き放すことのできなかった。それでも1タッチパスで相手を剥がし、DFだけでなく、前線の選手も気持ちの入ったスライディングタックルを見せるなど、“らしさ”を随所に発揮したU-16流経大柏が強豪を振り切り、勝ち点3を獲得した。

[写真]後半20分、流経大柏MF澤畑(右)が決勝点

(取材・文 吉田太郎)
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