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思わず感極まった齋藤学「マリノスを代表して大きな舞台へ」

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[5.18 J1第14節 川崎F0-3横浜FM 等々力]

 思わず感極まった。試合後、アウェーゴール裏のスタンドには横浜F・マリノスの背番号11の巨大なユニフォームが掲げられた。日本代表のW杯メンバーに選出されたMF齋藤学の壮行セレモニー。「すごくビックリしたし、うれしかった」。サポーターが応援メッセージを記した日の丸をまとい、サポーターの“学コール”に応える齋藤の目には涙も浮かんだ。

 W杯前ラストゲームで吹っ切れたようなプレーを見せた。前半29分、DF小林祐三の右クロスを左足でダイレクトボレー。惜しくもGKの正面を突いたが、迷いのないフィニッシュがゴールを強襲した。思い切りの良さはゴールにつながる。1-0で迎えた後半12分、左クロスのセカンドボールを拾うと、鋭い切り返しでMF大島僚太をかわし、そのままPA内へ切れ込んだ。DF中澤聡太とDF谷口彰悟に挟み込まれる形でつぶされたが、こぼれ球をFW伊藤翔が左足で押し込んだ。

「今週の練習からいい形も出ていたし、自分のところで何か変化を付けたいと思っていた。(2点目のシーンは)PKかなと思ったけど、近くに(伊藤)翔くんがいてくれたのが今日のマリノスの良かったところ。自分がセカンドボールを拾ったのもそうだし、いい距離間でできたところがよかった」

 後半42分には相手のミスから決定機を迎え、後半アディショナルタイムにもドリブルから右足でミドルシュートを打った。シュート数は両チーム最多の5本。ゴールこそ奪えなかったが、何よりもチームの勝利を喜んだ。

「チームが勝ったことが一番。相手はACLで疲れていたけど、1試合を通して相手を圧倒して勝てたのはマリノスとしても良かった。去年の最終節の悔しさが晴れるわけではないけど、この地でもう一度負けるわけにはいかなかった」

 昨季最終節。勝てば優勝が決まる状況で等々力に乗り込んだ横浜FMは0-1で敗れ、広島に逆転優勝を許した。因縁の地でリベンジを果たし、W杯による中断前最終戦で勝利。気持ち良く代表に合流することができる。「マリノスを代表して大きな舞台に行く。積極的にサッカーをして、今日みたいに楽しんでやれれば、間違いなく通用すると思う」。169cmのドリブラーは、あらためてブラジルへの決意を強めた。

(取材・文 西山紘平)

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