[5.18 J1第14節 川崎F0-3横浜FM 等々力]

　試合直後にはもう気持ちを切り替えていた。日本代表のW杯メンバーに選出された川崎フロンターレのFW大久保嘉人は不発に終わり、チームも3失点完敗。W杯前最終戦を勝利で飾ることはできなかったが、試合後のミックスゾーンでは「もう忘れてます。大丈夫です。ずっと引きずっても体に悪いですから」と冗談交じりに笑った。

　試合後はサポーターによる壮行式も行われ、横浜FMのサポーターからも声援を受けた。「ありがたいですよ。同じ日本人ですから。一緒に戦って、勝てればいいなと思いますね」と感謝する。2012年2月以来の代表招集となるサプライズ選出。しかし、31歳のアタッカーに気負いはない。

「プレッシャーは全然感じてない。楽しみです。点を取りたいと思うし、チームが勝てるようにやっていきたい」。日本代表キャプテンのMF長谷部誠は「リーダーの一人になってくれると思っている」と期待を寄せ、DF吉田麻也も「いい意味でチームをかき乱してほしい」と、その存在が日本の大きな力になると確信している。

　大久保自身、4年前の南アフリカW杯とは自分の役割が異なることは理解している。「変わるでしょうね。年齢も上から2番目ですから」。MF遠藤保仁に次ぐチーム2番目の年長者。ピッチの上でのプレーはもちろん、ピッチ外でも盛り上げ役として、あるいはリーダーシップを発揮する場面も出てくるはずだ。

　目指すところは決まっている。「みんな優勝と言っているし、みんなが一つにならないと、やる意味がない。でなければ辞退する。優勝を目指してやりますよ」。21日にはいよいよ鹿児島合宿がスタートする。2年3か月ぶりの代表合流。そこから本格的にW杯モードへと突入する。

(取材・文　西山紘平)

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