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吉田麻也独占インタビュー「置かれている状況でベストを出し続ける」

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 間もなく迎えるブラジルW杯。日本代表の指揮官が「たくさんの攻撃的な選手を選ぶ決断をした」と明言する中、守備を支える存在として吉田麻也にかかる期待は大きい。4年間の海外リーグで経験を積んだ25歳のセンターバックは、“世界最高の舞台”でどんなプレーを見せてくれるのか――。好評発売中の『2014SAMURAI BLUE サッカー日本代表オフィシャルガイドブック』(講談社)に掲載されている独占インタビューの一部をゲキサカでは特別公開。初めて挑むW杯への想いを語った。

――間もなくW杯です。難しいシーズンを終えての大会になります。
「ベストはサウサンプトンで試合に出続けて、いいコンディションでW杯を迎えることですが、本番前に自分がどういう状況にあるかなんて誰にもわからない。置かれている状況でベストを出し続けることが、W杯へのベストな準備だと思っています」

――日本代表ではまぎれもない主力です。4年前だったら全く考えられないことでは?
「4年前の今頃(VVV加入直後の2010年に負傷)は、松葉杖でした(笑)。でも、あの怪我があったから、怪我でプレーができないよりは試合に出られなくてもプレーができるほうがはるかにましだと思うようになりました。自分を支えるひとつの指針です。怪我は何より辛いですから」

――南アフリカW杯の大会中はどうしていたのですか?
「実家でW杯を見ていましたけど、次のW杯は自分が中心で出るって勝手に確信していたんです。勝手に自分の中で決めつけていました」

――それは自信ですか?
「自信ではないです。単なる、勝手な思い込みですね」

――その“勝手”の根拠はありますか?
「代表に入るような選手は、誰でもそう思っているはずです」

――確かに自分で信じていないと始まりません。
「自分を支える信念になりますし。端から見たらあり得ないだろうということでも、自分でそう思えたらそれでいいんですよ」

――W杯への想いは子どものころからありましたか?
「全くない(笑)。自分がW杯に出るなんて育った環境が田舎すぎて(長崎市出身)全然想像がつかなかったです。中学から名古屋のジュニアユースに入りましたが、それでもまだ漠然としていました」

――初代表のことは覚えていますか?
「もちろん。2010年のイエメン戦(3―2)。ずっと目標にしていたので、嬉しかったです」

――アルベルト・ザッケローニ監督はどんな監督でしょう?
「どのすばらしい監督にも言えることですが、信念、哲学を持っています。サウサンプトンのマウリッツィオ(・ポチェッティーノ)監督もそうですけど、多少結果が出なくてもぶれないのが大事だと思います。ほんとにぶれない(笑)」

――ある意味頑固?
「優しそうに見えて頑固ですね。もちろん頑固なだけでなく優しいですよ。あとは、選手やスタッフをよく見ています。練習中も食事中も観察して、特徴やパーソナリティを見極めているように思います」

――興味があるのですかね?
「興味もあると思う。日本に馴染もうとしているし、日本にくる外国人はそこが大事ですよね。トライできない人はアジアには向いてないですけど、パーソナリティ的にもザッケローニ監督は日本に向いていると思います」

――吉田選手も海外生活に向いているように見えます。
「かといって、日本が向いていないとは思わないけど(笑)」

――肩の力を抜いて海外生活を送っているように見えます。
「そうですね。やっぱり、好奇心かな。いろいろな国に行って、いろいろな人を見てみたいと思いますし、トライしてみたい。日本に来ている外国人選手で日本に馴染もうとしていたり、愛そうとしてくれていると助けたいと思いますから。名古屋での3年間でそういうことも学びましたね」

――それでは、W杯での目標を教えてください。
「まず、前回より良い成績を出したいですね。楽ではないのは重々承知していますが」

――組み合わせを見たときはどう思われましたか?
「どこが来ても厳しいですよ。抽選会はイングランドも同時にチェックしていたので、イングランドよりはましかなと思いますけど(イングランドはイタリア、ウルグアイ、コスタリカと同組)。大人の男たちが国を背負って本気で戦ったら、どのチームと当たっても簡単にはいきませんよ」

――個人的な目標はいかがですか?
「大会に行くだけでなく、試合に出てなんぼ。コンフェデも結果にこだわりたいと言い続けて出せなかった。だから、次こそ結果を出したい。去年ブラジルで試合をしたのは、間違いなくアドバンテージになると思います」

――ブラジルは気候も厳しいです。
「日本人は湿度には慣れていますが、ヨーロッパのチームはブラジルの湿度で苦しむかもしれません。コンフェデのときのように日系ブラジル人の方が応援してくれたら後押しになりますし、自分たちに利点はあると思います。それらの利点を生かして、がんばるしかないでしょう」

<商品概要>
■書名:2014SAMURAI BLUE サッカー日本代表オフィシャルガイドブック
■出版社:講談社
■発売日:2014年4月24日
■判型:A4判・128ページ
■価格:1111円(税別)
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