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[オーシャン杯]2戦連発すみだの新兵器FP田村「このチームで戦えることを誇りに思う」

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[5.23 オーシャン杯 湘南4-3すみだ 小田原]

 上々の新天地デビューといえるだろう。今シーズン、ファイルフォックス府中からFリーグに昇格するフウガドールすみだに加入したFP田村佳翔は、22日に開幕したオーシャン杯で2試合連続のゴールを挙げた。結果的にチームは準々決勝で湘南に3-4で敗れ、ベスト8で姿を消すことになったが、期待を抱かせるパフォーマンスを見せた。

 田村は「個人的には得点という形でチームに貢献できたことは大きいですが、それ以外の部分でやられているところがありますし、僕のケツを拭いてくれているところもあるので、持ちつ持たれつやっているので。周りには『良かったかな』と見てもらえるかもしれませんが、まだまだ満足は全然していません」と、大会を総括した。

「面白いな、Fリーグ」と、そのレベルの高さを喜ぶ須賀雄大監督と同様に、田村も新しい舞台への期待に、胸を膨らませていた。「今まで僕は、外からフウガ(ドールすみだ)を見ていましたが、こういう負け方をするフウガは見たことがありませんでした。こういう負けもあるんだという、高い授業料を払った形ですが、すごい良い勉強になったと思っています」。

 新チームへのフィットが早く感じられるが、「やっていて楽しい」ことに加え、前所属クラブと共通している点が多いことも、適応を早めている要因になっているようだ。「とにかく楽しいです。フットサルも楽しいですし、チームカラーも良い。これまで在籍していたファイルフォックスと、精神力の部分で勝つところとか、すごく似ているので、すんなりチームに入れましたね」。

 この日、対戦した湘南のゴールマウスには、昨季までファイルフォックスでチームメイトだったGK三浦拓がいた。「そこは、ものすごい気合い入りましたね」と認める田村は、見事にループシュートで三浦の守るゴールを割った。

「拓が守っているということは、その瞬間は頭にありませんでしたね。無我夢中だったので。拓が上は弱いとか、まったく思っていないですし。ただ、普通に打ったら止められてしまう気がしたので、何かやった方がいいと思って。一瞬の判断で『ループシュート』っていうのが頭に浮かんで、そのまま打った感じです」

 田村のゴールで3点差を付けたすみだだったが、このリードを守り切れなかった。「パワープレーされて、自分たちが守りに入ったというか。ちょっとビビった部分があったと思います。パワープレーされたからこそ、アグレッシブに行くというのが、本来のフウガのスタイルだと思うのですが、今日はネガティブになって4失点目を食らってしまった。そこが関東リーグとFリーグの差かなと思います」と、田村は敗因を分析する。

 須賀監督はFリーグの舞台でのリベンジを誓ったが、田村も同じ気持ちだ。「僕はこのチームに入ったばかりですけど、チームのポテンシャルはすごく感じています。こんなに成長できそうで、Fリーグで戦うのが楽しみなチームはない。このチームで戦えることを誇りに思います」。悔しさと、確かな手応えを感じ取った田村は、約1か月後のリーグ開幕に闘志を燃やす。

(取材・文 河合拓)

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