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[MOM1035]東邦MF大岡和剛(3年)_「本当に頼りがいがある」主将が決勝点

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[5.24 全国高校総体愛知県予選決勝L第1節 東邦高 1-0 刈谷高 名古屋市港]

 決して満足の行く内容ではないながらも、東邦高が全国へと着実に前進する勝ち点3を奪えたのはキャプテンであるMF大岡和剛の存在があったからだった。

「普段はどこにでもいる高校生って感じで、ちゃらけたりもするけど、ピッチに入ると豹変する。本当に頼りがいがある」とチームメイトのFW鈴木大嗣が信頼を寄せる大黒柱は立ち上がりから中盤の底で奮闘。粘り強い守りで、相手に自由を与えず、攻撃の芽を確実に潰すだけでなく、DF陣が跳ね返したセカンドボールを着実に回収。更には、高校入学前は苦手だったというヘディングでも、東邦の伝統である毎日のヘディング練習で、自らの物にし、競り合いの強さを見せた。

 貢献は守備だけでなはない。堅実なパスで攻撃の起点となりながら、この日は 「先制点が獲れたから流れに乗れたと思う。あの一点は大きかった」と自ら振り返るPKでの一撃で決勝点をゲット。充実した前半を過ごしたが、2回戦、高蔵寺高戦の前に左足首を捻挫し、回復したばかり。コンディションは戻りつつあると話すが、後半17分に足をつらせて途中交代。「彼は攻守のバランスがとれる選手。計算よりも10分くらい交代が早くて、少し困った。怪我明けだったので、1試合は無理だが、残り10分まで引っ張ろうと思っていた」と横井由弦監督は口にしたように、後半のペースダウンは彼の不在とは無縁ではないだろう。

「本当に情けない。チームに申し訳ない気持ちでした」と唇を噛みつつも、「厳しい試合だったけど、全員でサボらず守備をして、守り切る東邦のサッカーが出来た。東邦のペースではなかったけど、我慢強く無失点に抑えられた事も良かったと思う」と安堵の表情を浮かべた。

 頼れるリーダーだが、主将就任は今大会の直前。それまでは3年生が週替わりで主将を務めていたが、総体予選直前にチームメイトから指名され、正式に主将を任された。「最初は僕が!?と思ったけど、ちゃんと自覚を持って良いプレーをしなければいけないと身が引き締まった」という。横井監督から、「今年のチームは昨年のチームに比べて、個の力が無い」と言われているという今年の世代が結果を出すためには、「個人では局面を打開出来ないので、チームとして粘り強く守備して、得点を奪うべき所で取る事が必要」とまとまりが必要なことは自覚している。もちろん、チームがまとまるためには自身の仕事ぶりが鍵になる事も分かっている。

「個の力が無いのは皆が自覚しているから、ここまではチームのために走って、やりきれていると思う。次の試合も、来週の試合も厳しい試合になると思うので、今日みたいに我慢して、全勝で全国に行きたい」。彼の言葉からは確かな手応えと力強さが感じられた。

(取材・文 森田将義)
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