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[MOM1037]鵬翔FW北村知也(3年)_日本一経験者が走って、競って、全力プレー

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[5.30 全国高校総体宮崎県予選準決勝 鵬翔高 1-0 宮崎日大高 宮崎県総合運動公園サッカー場]

 昨年1月に宮崎県勢初の日本一を果たした鵬翔高・松崎博美監督が「淡々と自分の仕事ができる。ヘディングで競って、そのボールを自分で取りに行く。競って、自分で取れる選手はなかなかいないですよ。昔はいたかもしれませんけれど」と目を細める存在。前線で走って、競って、その上決定的な仕事もしてのける存在、それが鵬翔高FW北村知也主将(3年)だ。

 アイツがあれだけやっているんだから…、とチームの見本にもなっている献身。それは試合開始から終了の笛が鳴る瞬間まで続き、それが相手DFのフィードの精度を狂わせていた。「自分が小さいころからお父さんに言われていたのが、『小さくて、動かなかったら何もいいところない』、ということ。自分は動くしか、動いて相手の良さを消していくしかない」と北村。1年時に背番号10を背負って鵬翔の日本一獲得に貢献し、大会優秀選手や、U-17日本代表候補にも選出された。そして伝統のエースナンバー13を背負っても164cmのFWは上手いことをするのではなく、チームのために動き続けることで勝負している。

 相手のポゼッションに対し、鵬翔はコンパクトな守備ブロックを構築し、奪ってから前線へボールを入れていた。北村はここで体を張ってボールを収め、相手が不用意に食いついてくれば一瞬のキレで打開してシュートにまで持ち込んだ。そして前半29分には左オープンスペースでボールを引き出すと、完ぺきなクロスボールをFW盛田享佑(2年)の頭に合わせて先制点をおぜん立てした。

 ゴールが決まった瞬間、背番号13はピッチ上で喜ぶイレブンとは別に客席に陣取る応援団の下へ一直線。そして笑顔でチームメートの輪の中へ飛び込んだ。「応援の人たちと約束していたので、点決めたら行くからみたいに。自分が決めたのではなかったんですけど、アシストだから嬉しくて・・・」。多くの人への感謝も北村のパワーの源だ。「支えてくれる人がいるので応えないといけないと、全力でプレーしました」

 日本一となった選手権ではその献身ぶりが高い評価を得たが、一方で1得点で終わっていた。そこからフィジカル面、シュートの向上を目指してきた。昨年は怪我もあり、不本意な一年となっただけにまずは総体の全国切符がターゲットだ。「まだまだですけど、練習していきたいと思っています。(全国制覇したが)高校選抜は入れなかったので、それに入れるように頑張っていきたい」というFWは、「今年は3冠目指している。全国大会でまたみんなで戦えるようにしたいと思います」と力を込めた。

(取材・文 吉田太郎)

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