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[総体]都城工の追撃受けるも、日章学園が宮崎4連覇王手!

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[5.30 全国高校総体宮崎県予選準決勝 都城工高 2-3 日章学園高 宮崎県総合運動公園サッカー場]

 平成26年度全国高校総体「煌(きら)めく青春 南関東総体2014」サッカー競技(山梨)宮崎県予選は30日、準決勝を行い、1月の全国高校選手権8強の日章学園高と32年ぶりの全国大会出場を狙う都城工高との一戦は、MF竹脇雄大(2年)の2ゴールとFW河野翔太(3年)の決勝ゴールによって日章学園が3-2で勝った。日章学園は31日の決勝で大会4連覇を懸けて鵬翔高と対戦する。

 日章学園は今年、九州屈指のストライカー、FW村田航一(3年)をはじめ、河野やMF藤堂貴久(3年)と全国のピッチを経験した選手たちが残る。この日は彼らに竹脇らが絡んで鮮やかな崩しを見せる時間帯もあった。ただファーストタッチが乱れ、パスが連続して数10cmズレるなどミスが続き、攻撃がスピードダウン。早稲田一男監督は「昨年に比べると、やれる時間が短いです。左でも、右でも、中央でも厚くしないと崩せない。ここ10年では一番低い」。ハーフタイム、試合終了後と選手たちには厳しい言葉が投げかけられていた。

 試合はブラスバンドの奏でる応援曲や控え部員、野球部員たちの大声援を後押しに、立ち上がりから日章学園が攻めた。8分、左サイドでボールを収めた村田のパスから河野翔が右足シュート。9分には縦パスに反応した村田の非常に強烈な右足ボレーがゴールを捉える。ただ、その後は村田相手に好守で対抗していたCB川畑樹平(3年)や安定したセービングを見せたGK高崎将人(3年)を中心に守る都城工が球際強い守備で日章学園の攻撃に対抗。そして、都城工は前線で奮闘するFW吉村汰誠(3年)へボールを入れ、MF今吉直基(3年)の左足キックや右SB田中皓介(3年)の攻撃参加などから日章学園ゴールを目指した。

 日章学園は1対1の仕掛けでボールを奪われるシーンが多発。それでも各ポジションの選手が1対1で「剥がす」ことのできる日章学園が先にスコアを動かす。31分、日章学園は縦パスをPAで収めた村田が連続の切り返しからシュートへ持ち込み右CKを獲得。このチャンスでMF野崎悠(3年)のキックをファーサイドの村田が折り返すと、ゴール前にこぼれたボールを竹脇が「押し込むだけでした」と頭で押し込んで先制した。

 さらに日章学園は32分、敵陣中央でボールを持った竹脇が前線の動きを囮に切り返すと、そのまま左足の弾丸ミドルをゴール右隅へ突き刺した。会場どよめく158cmMFの圧巻の“左パンチ”で2-0。日章学園は34分にも河野の落としから藤堂が右足を振りぬくなど、試合の流れを傾けた。

 それでも都城工は1対1で負けない守備をベースに反撃する。1分、後半開始から投入されたFW西森貴之(3年)が右サイドを個で打開して折り返すと、ファーサイドでフリーの今吉が決定的なシュート。7分にも縦パスから個で強引に仕掛けた西森がシュートまで持ち込んだ。そして15分、左サイド後方からのFKをファーサイドの西森が頭で折り返すと、これを今吉が身体ごとゴールへ押し込み、1点差とした。

 不用意な失点をしてしまった日章学園だったが、すぐに取り返す。20分、交代出場のSB児玉響(2年)が右サイドを駆け上がり、フリーでクロス。これをファーサイドのMF河野魁人(2年)が頭で折り返すと、河野翔が豪快にゴールへ突き刺して3-1とした。日章学園は河野翔のチャンスメークから22分に村田翔、27分には藤堂が惜しいチャンスを迎える。そして29分には河野魁の右クロスをファーサイドの村田が決定的なヘディングシュート。日章学園はボールによく絡む藤堂がサイドへ捌き、そこから縦への突破、SBの攻撃参加から都城工ゴールへ押し寄せた。

 ただ2点差をキープした都城工が終了間際に意地を見せる。交代出場のFW黒崎海斗(2年)のロングスローからチャンスを掴んでいた都城工は37分、再び左サイド後方からのFKをファーサイドの黒崎が頭で競り勝ち、これがゴールへ吸い込まれた。派手なガッツポーズや抱擁でゴールを喜ぶ都城工はさらに38分、敵陣中央でFKを獲得。ただ、MF田中健翔(3年)が右足で狙ったボールは壁の右外側を巻いたものの、反応したGKがキャッチして試合終了。日章学園が決勝へ駒を進めた。

 選手権で全国8強を経験し、さらなる高みを目指す日章学園だが、自分たちがまだまだということはよく理解している。村田は「去年の3年生が力持って引っ張ってくれたことを卒業して感じる。試合に出ていた自分たちが引っ張っていかないといけない。強いチーム、勝つチームは決めるところで決めるし、守るところで守るという勝負強さがある。それは安定したチームの力の上に勝負強さがあって、勝てるんだと思う。基本的なところをもっと自分たちはやって勝負強さを試合の中でつけていかなければいけない」と成長へ意欲を燃やす。そして全国への再挑戦を懸けたライバル・鵬翔との決勝へ向けては「総体と選手権は一番の重要な大会。全国にチャンレンジする権利を勝ち取って、全国でチーム一丸となって戦えるチームにしたいです」と必勝を誓っていた。 

[写真]前半31分、日章学園は竹脇(7番)のゴールで先制

(取材・文 吉田太郎)

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