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[MOM1038]日章学園MF竹脇雄大(2年)_「陰で輝く」158cmMFが2発

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[5.30 全国高校総体宮崎県予選準決勝 都城工高 2-3 日章学園高 宮崎県総合運動公園サッカー場]

 158cmの“小さな”MFが2ゴールで日章学園高を決勝へ導いた。0-0の前半31分、MF竹脇雄大(2年)は右CKの折り返しのこぼれを頭で押し込んで先制点。さらにその1分後にはチームメートがDFを引っ張ってできたスペースを逃さずに、切り返しから左足ミドルを叩き込む。150cm台の小さな身体から放たれた圧巻の一撃。竹脇の連続ゴールによって2-0となった。

 早稲田一男監督も「ダミーを使って、切り返して打つ。いい点だった。アイツはキックがいいんですよ」と称賛したミドル弾。立ち上がりからボールを確実に収めて攻撃の組み立てに関わっていたMFは、「(小柄で)足もそんなに速くないので、判断の速さとか、いいスペースを見て周りを活かしたり、シュートへ持っていくことを大事にしています」という言葉通りに、MF藤堂貴久(3年)とのワンツーやスペースへのパスでチャンスを生み出し、またチャンスの匂いを嗅ぎ取ってPAへ飛び込んではシュートに持ち込んでいた。

 小さなMFはエースストライカーの陰で輝く。1トップに位置するFW村田航一(3年)は九州屈指のストライカー。彼にマークが集まる中、竹脇はこの日のようにシャドーの位置でチームに白星をもたらす活躍をしてのける。「(村田)航一さんはキツいマークを受けると思う。自分が仕事をして楽にしてあげたい」。エースの負担を軽くするためにも「陰で輝く」つもりだ。

 憧れは1月の全国高校選手権で主将としてチームを8強へ導いたMF菊池禎晃(現流通経済大)だ。同じく小柄ながらも抜群のキープ力を発揮し、アイディアあるパスをまさにピンポイントで合わせていたMFについて竹脇は「(菊池)禎晃さんは自分の中でも尊敬するプレーヤーで、人とは違うものをもっているので、ボクもボクなりにいいところを活かして負けないように、越せるように頑張りたいです。今年は自分が引っ張っていけるようにプレーで存在感を出していきたいと思います」と力を込める。全国8強入りに貢献して日本高校選抜候補にも選ばれたMFの“後継者”としても、鵬翔高との決勝は負けられない。

 昨年は高校選手権宮崎県予選で4得点を挙げ、決勝のピッチにも立った。ただ、全国大会は持病の腰痛の影響によってメンバー外に。その後、新人戦もピッチから遠ざかり、今回の高校総体予選はこの試合が初のフル出場だった。それでも以前に比べるとコンディションは大きく向上。モチベーションも非常に高い。「個人的には負けず嫌いなので。試合で結果を残せないと、とても悔しいので、まず結果を出せるように毎日頑張っています」というMFが、全国への思いも込めて鵬翔との決勝でも結果を出す。

(取材・文 吉田太郎)

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